小田急線の忘れ物は全てが登戸に 7月から、保管は3カ月

お忘れ物総合取扱所の引渡窓口のイメージ図(小田急電鉄提供)

 駅や電車内の忘れ物を円滑に返却するため、小田急電鉄は登戸駅(川崎市多摩区)近くに「お忘れ物総合取扱所」を新設し、7月1日から運用を始める。従来は沿線3カ所に分散していた預かりと引き渡し機能を同取扱所に集約した上で、保管期間も数日程度から3カ月へと大幅に延長。専用の管理システムの導入で保管品の検索も容易にし、乗客の利便性の向上につなげる。

 同取扱所は、登戸駅から徒歩4分の小田急線高架下に開設。都県境に近く双方の住民がアクセスしやすい立地の上、2018年3月から快速急行が停車するようになったことで同駅周辺が選ばれた。

 年中無休で正午から午後8時まで営業。会社帰りにも立ち寄りやすいよう、夜間の引き渡しにも応じる態勢を整えた。新たな自動倉庫管理システムの導入で目的の保管品の検索がスムーズになり、待ち時間の短縮が図れるほか、多目的トイレを設置するなどバリアフリーにも対応する。

 小田急線内の忘れ物はこれまで、拾得した駅などで2日前後預かった後、経堂お忘れ物センター、小田原駅、藤沢駅の3カ所に移されて3日前後保管。それでも引き取り手が現れない場合は、最寄りの警察署に届け出ていた。

 7月以降は、3カ所での取り扱いを中止。個人情報などを含む一部の忘れ物を除き、拾得した駅などで2日前後預かった後、全て同取扱所に集約して3カ月間保管する。

 同社の担当者は「警察署は最寄り駅からかなり離れているケースもある。徒歩圏内の同取扱所の開設により、安心で便利なサービスの提供をしていきたい」と強調。小田原駅や藤沢駅の近隣住民のうち、都心への通勤通学がない人にとっては利便性が低下する側面もあるが、「取扱所に移す前ならば近くの駅でも受け取りは可能なので、早めに問い合わせてほしい。人員的にもスペース的にも集約管理は必要なことなので、ご理解をお願いしたい」と話している。

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