20代の介護職員に奨励金 平戸市 地元定着や担い手育成図る

黒田市長から奨励金を受け取る諸石さん(中央)と唐津屋さん=平戸市役所

 長崎県平戸市は10日、市内の介護サービス事業所に本年度就職した20歳代の介護職員2人に奨励金を支給した。若者の地元定着や介護の担い手育成を狙いに、昨年度創設した独自の人材確保支援事業で、今年で2年目。県によると、県内自治体では唯一の取り組みという。

 対象は市内事業所で働く25歳以下の正規職員。奨励金5万円を支給し、初任者研修資格を取得した人らには5万円を加算する。同一事業所で3年間勤めた人にはさらに10万円を贈る。昨年度は5人に支給した。

 市によると、同市の高齢化率は39.2%(4月1日現在)で、2015年度の市内の介護従事者は854人。県の推計によると、平戸市の介護職員は、離職や定年退職などで25年には300人ほど不足する見通しになっている。

 交付式は市役所であり、対象者3人のうち唐津屋捺美さん(20)と諸石優美さん(22)が出席。黒田成彦市長は「高齢者のほほ笑みが絶えない環境づくりに力を貸してほしい」と激励し、奨励金と資格取得者加算金の計10万円を2人に手渡した。

 唐津屋さんは「利用者にしっかり寄り添いたい」、諸石さんは「専門職の責任を持ち、平戸の福祉に貢献したい」とそれぞれ抱負を述べた。

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