最終章直前! 天海祐希×田中哲司対談「“キントリ”の現場ではよりタフに」【前編】

最終章直前! 天海祐希×田中哲司対談「“キントリ”の現場ではよりタフに」【前編】

天海祐希さん演じる取調官・真壁有希子ら緊急事案対応取調班(通称・キントリ)の刑事たちが、手ごわい被疑者たちを“マル裸”にしていくドラマ「緊急取調室」(テレビ朝日系)。2014年に放送されたシーズン1の冒頭で犯人との交渉中に起こったミスの責任でSIT(特殊捜査班)を追われた有希子は、田中哲司さん扮(ふん)する管理官・梶山勝利に引き抜かれる形で“キントリ”に配属されました。以来、言いたいことをぶつけ合う間柄であり、戦友として強い信頼関係で結ばれている有希子と梶山。そんな2人を演じる天海さんと田中さんに「他の現場とは全然違う」と声をそろえる“キントリ”チームの雰囲気について伺いました!

──今作でシーズン3になりますが、シリーズが始まってからは5年経過しています。当初からのお互いの印象について変わったところなどをお聞かせください。

天海「変わったところ…。あまり思い当たらないですね」

田中「シーズン1の時は、天海さん(演じる有希子)に家族との描写があったので、そこが大きく違いますよね。シーズン1とかスペシャルの時とか、家族とのシーンがずっとあったもんね?」

天海「ずっとありましたね」

田中「その後は家庭が一切出てこなくて。家族とのシーンがない分、より強くなっているように見えますよね」

天海「パート2あたりまでは、田中さん(演じる梶山)にも家族がいたよね? お互いに、より警察官として事件に集中していますね、役柄的には(笑)」

──役柄じゃない部分での印象の変化については何かありますか?

天海「それも変わらないですよ。てっちゃん(田中さん)がパート1の時に『あまり共演する役者さんたちと仲良くならないんだ』って言っていたんです。『いざ本番という時に笑っちゃうから』って、それがすごく印象的だったんですよ。それで…『仲良くなってるやん!』って(笑)。でも、そうやって仲良くせずに一歩下がるなんて許さない現場ですもんね?(笑)。静かにセリフの練習をしていても、みんながぐいぐい来るから」

田中「確かに、普通の現場での感じが通用しないからね。現場にいて『今日は長いセリフありますから、僕はしゃべんないですよ』っていう人がいるのは、なんとなく分かるんですよ」

天海「分かる」

田中「1人離れたところにいたり、ぶつぶつ言ってるから。それでも、この現場ではお構いなしで、全然そういうのができないんですよ(笑)」

──それが他の現場とは全然違うところですか?

天海&田中「(声をそろえて)違いますね」

天海「ずかずか入ってくる具合が(笑)」

田中「他の現場では、1人の時間は結構守られます」

天海「『そうだよね、今日セリフ多いもんね?』って周りも気付くっていう暗黙の了解があるんですけど…」

田中「それができないんです。だから、よりタフに出るしかないですよね、“キントリ”の現場では(笑)」

天海「そうそう(笑)」

──キントリチーム全体でも、最初の頃から印象が変わった部分はありませんか?

天海「ないですね。パート1の途中からこんな感じの雰囲気でしたもんね?」

田中「そうです」

──始まった頃は皆さん探り探りだったんですよね?

天海「もちろんそうです。どの現場でもそうなんですけどね」

田中「だけど、他の現場と違うのは、すぐこういう感じになって。それがずーっと続いています」

天海「本当にそう。(シーズン)1、2、3を通して変わらずにいるっていうことは、これがほぼみんなの素なんだと思います」

──キントリの現場では、ゲストの方の迎え方もやはり違いますか?

天海「ゲスト出演であったり、途中から作品に参加するっていうのは、このメンバーでは、私も含めてですけど、みんな必ず経験してきているんです。途中から入ることの難しさとか、みんなもよく分かっているので、そういう思いをしてほしくないと、お迎えしています。でもやっぱり、ゲストの方は“取り調べられる側”なので、みんなが出している『受け入れ態勢万全ですよ』という雰囲気の中でも、どこかで“取り調べる側”と“取り調べられる側”のように、違いがある感じの親しくなり方をしていますね」

田中「それは天海さんだけだよ!」

天海「本当?」

田中「(小石川春夫役の)こひさん(小日向文世)とか(菱本進役の)でんでんさんとか絶対にやってないよ(笑)。お二人は普通の“近所のおじさん”として接しているもん!」

天海「言われてみれば確かにそうだよね! 女優さんがいらっしゃるとうれしそうにするんだよねえ」

田中「ずっとしゃべっているもんね」

天海「そう、すっごくうれしそうな顔でしゃべっているんですよ、取調室でも。『もう止めてあげて』っていつも思うんだけど(笑)」

田中「(笑)」

お二人の対談から「プライベートでも仲の良いキントリチーム」の雰囲気が十分に伝わってきました! 劇中では、夫を亡くした有希子と離婚問題に決着の着いた梶山。共に事件解決に挑む仲間である一方で、くっつきそうでくっつかない2人の微妙な距離感も描かれているので、視聴者の皆さんもドキドキとモヤモヤが止まらないかと思います。6月20日公開予定の後編では、そんな関係性をお二人がどう捉えているかに迫ります。

6月13日放送・第9話では、キントリの組織変更の意向を示し続けてきた刑事部長・磐城和久(大倉孝二)から、医大生が同級生を刺殺した事件の取り調べを命じられます…最後の事件として。今シーズンの初回の冒頭で有希子をおちょくっていた被告人・北山未亜(吉川愛)の“模倣犯”とされている同級生殺害の重要参考人である医大生・藤井卓生(坂東龍汰)。実は2人にはつながりがあり、その関係のキーマンとして元中学校校長の染谷巌(吉田鋼太郎)の存在が浮上。「最後」を通告されたキントリはそのチーム力を見せつけたいが、第1話同様に未亜の取り調べに苦戦する有希子たち…。一体どんな方法で被疑者をマル裸にしていくのか。お見逃しなく!

【プロフィール】


天海祐希(あまみ ゆうき)
1967年8月8日生まれ。東京都出身。「離婚弁護士」(フジテレビ系)、「女王の教室」(日本テレビ系)、「BOSS」(フジテレビ系)など多数のヒット作で主演を務める。出演映画「最高の人生の見つけ方」が今秋に公開予定。

田中哲司(たなか てつし)
1966年2月18日生まれ。三重県出身。舞台、映画、ドラマと幅広く活躍。出演映画「新聞記者」が6月28日に公開される。また、7月20日に東京・三鷹市文化センターで開催される「第19回 太宰を聴く~太宰治作品朗読会~」での朗読が待機中。

【番組情報】


「緊急取調室」
テレビ朝日系
木曜 午後9:00~9:54
(6月13日・第9話は、午後9:00~10:09)

テレビ朝日担当 K・T

天海祐希スタイリング/大沼こずえ 衣装協力/アクアスキュータム(ジャケット)、BEIGE(ニット)、セオリーリュクス(パンツ)、コールハン(靴)

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