先入観持たずに平和発信 長崎大院1年・光岡さん 深堀中で講話 被爆の実相 渡米し伝えた経験紹介

生徒たちの意見を聞く光岡さん=長崎市立深堀中

 渡米して原爆の実相を伝える活動を経験した長崎大大学院1年の光岡華子さん(23)が12日、長崎市深堀町1丁目の市立深堀中(平野哲也校長、110人)で講話し、「先入観を持たずに世界の人へ核兵器の恐ろしさを伝えてほしい」と訴えた。
 講話は同校の平和学習の一環。今回は「平和を発信する」というテーマで、3年生42人が受講した。
 光岡さんは佐賀県出身。海外でのボランティア活動を機に平和活動を始め、2017年10月に仲間と「ピースキャラバン隊」を結成。県内外の学校などに出向き、平和や核兵器について出前講座をしている。
 光岡さんは昨年渡米した際、第2次世界大戦中に米国が原爆開発を進めた「マンハッタン計画」ゆかりのリッチランドで、高校生に原爆の実相を伝えた経験を紹介。核兵器に肯定的な土地の雰囲気を感じ取り、当初は「彼らとは通じ合えない」と思い込んだが、話を聞いた生徒が「核兵器は誰も幸せにしない」と感想を述べたというエピソードを語った。「自分が勝手に壁をつくっていた。話してみないと分からない」と生徒に語り掛けた。
 講話後、「平和な世界をつくるにはどうしたらいいか」という生徒の質問に対し、「考え方の違いが核の問題を引き起こしているのであれば、もっと意見交換することが必要だ」と答えた。
 受講した峰光咲(ありさ)さん(15)は「米国人は誰もが原爆に肯定的な意見を持っていると思っていたが、それは偏見だと気付いた」と話した。

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