開門調査の必要性指摘 長崎大・東名誉教授ら講演

「諫早湾 底生動物と漁業の衰退一致」

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有明海の底生動物の推移を説明する東名誉教授(右)と佐藤教授=諫早市立諫早図書館

 有明海の生態調査を続けている東幹夫・長崎大名誉教授と佐藤慎一・静岡大教授が11日、諫早市内で講演した。1997年の国営諫早湾干拓事業の潮受け堤防閉め切り以降、魚介類の食物源となるヨコエビ類などの底生動物の生息数の推移をまとめた研究を踏まえ、東名誉教授は「漁船漁業の衰退と一致しており、(2010年の)開門確定判決に従った開門調査で有明海の再生を」と指摘した。

 研究グループは97年から毎年、有明海北部の50カ所で泥を採取し、堆積物に含まれる底生動物の平均生息数を調査。報告によると、閉め切り以降、減少したが、2002年の短期開門調査後、前年の6倍超に急増。それ以降、ヨコエビ類が増減しているが、全体的に衰退しているという。

 佐藤教授は、閉め切り後に頻発する貧酸素水塊などで底生動物が死滅している状況を挙げ、「常時開門で海水が双方向に行き来すれば、潮流や底質が改善され、底生動物が増え、魚介類も増える。今のままでは有明海の底生動物はあと10年でいなくなると危惧している」と述べた。

 諫早湾の干潟を守る諫早地区共同センターが主催。約80人が聴講した。