熊本地震体験を伝えるアート 美術家5人が福岡市で作品展

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グループ展を開いている(左から)浦川大志さん、加藤笑平さん、原口勉さん、上野洋嗣さん、佐野直さん=福岡市
上野洋嗣さんの油彩。地震を思わせるような地割れが描かれている
綿布で地層のゆがみを表現した浦川大志さんの作品

 熊本地震を経験したり被災地を見たりした熊本と福岡の美術家5人によるグループ展「精神の風景」が、福岡市中央区大手門のギャラリー「エウレカ」で開かれている。絵画を中心に51点を展示している。29日まで。

 地震で御船町の自宅が全壊した美術家原口勉さん(46)が企画。「巨大地震を体験した人間の内面の精神」を作品から感じ取ってもらおうと、美術家仲間に出展を呼び掛けた。

 画家の上野洋嗣さん(35)=熊本市=は石塔の風景画の中で、地割れした大地に「人間の力が及ばない自然の脅威」を表現。宇城市三角町の中神島や阿蘇中岳の風景を描いた佐野直さん(31)=同市=の作品は、際立つ明るい色使いから自然の穏やかさが伝わる。

 福岡県粕屋町の浦川大志さん(25)は茶や黒色の綿布5枚で会場の壁を覆い、高さ約2メートルの地層を表現。活断層をイメージして布をゆがませた。

 かつて天草を拠点に活動した加藤笑平さん(36)=福岡市=は、「被災地で感じた言葉にならない思い」を木材と絵画を組み合わせたインスタレーション(空間芸術)。原口さんは地震後に感じた情報格差をイメージした絵画などを並べた。

 原口さんは「熊本地震はつらい災害だったが、経験したことで能動的になった。たくさんの人に見てほしい」と話している。(宮崎達也)

(2019年6月13日付 熊本日日新聞朝刊掲載)