厚さたった2ミリの「テントマット」があると、テント泊はこう変わる! テント内部に敷く「テントマット」は2mm程度の薄さながら、地面からの冷気を防ぎ、テント内部を快適にしてくれます。今回は人気山岳テント別のおすすめマットや、混同しがちな「シュラフマット」との違いをご紹介いたします。

テント泊で使う「テントマット」ってどんなもの?

インナーマット、インナーシート、スリーピングマット、シュラフマット、テントシート、ロールマット、テントマット……。
これらの名称を聞いて、どんなものをイメージしますか?

実は何を指すのか明確でなく、よくわからないのが「テントマット」。今回は知ってるようで知らない「テントマット」についての役割と、手持ちのテント別&タイプ別のおすすめマットを紹介いたします。

テント泊で使うマットは2種類

冒頭で挙げたように呼び方は様々ですが、登山のテント泊で使うマットは使い方から以下の2つに分けられます。

シュラフの下に敷く「シュラフマット」
テント内に敷き詰める「テントマット」

下の写真の茶色いものが「シュラフマット(ウレタンタイプ)」銀色のものが「テントマット(銀マット)」になります。

この2つの総称として、インナーマットやスリーピングマットなどいろいろな名称があるので混乱してしまいがちですが、商品にどんな名前が付けられていても、使い方で区別すれば間違うことはありません

混同しやすい!「テントマット」と「シュラフマット」の違い

テントマットとシュラフマット、いずれもテント内での保温・断熱という役割があります。
テントを「部屋」と考えたときに、以下のように捉えると役割がわかりやすくなります。

テントマット=カーペット
シュラフマット=敷布団

カーペットである「テントマット」はテントの床面積に合わせたサイズ。オートキャンプなどでは居住性重視の大きなエアマットなどもありますが、重量やサイズのことも考慮し、登山では薄手のものを使うことになります。

敷布団である「シュラフマット」は寝る人の身長に合わせたサイズ。ウレタンマットやインフレーターマット、エアマットの種類があります。

関連記事

寝袋マットを徹底比較!「サーマレスト」「ニーモ」の人気No.1はどれ?
登山やキャンプなど、安眠のためにもテント泊時には用意しておきたい寝袋の下に敷くマット。「登山マット」「スリーピングマット」「シュラフマ...

テントマットの素材とタイプ

テントマットには2つのタイプがあります。それぞれの特徴を比較することで、用途に合ったテントマットを選ぶことができます。写真左は銀マット、右がオールブランケットになります。両方とも片面が銀色になっていますが、これは銀色が熱反射する特性を利用するためです。

銀マットタイプ
こちらはホームセンターや100均などでも販売されている、その名の通り「銀色のマット」です。片面にアルミフィルムが吸着されているポリエチレンフォームのマットです。クッション性がある、厚さを選べる、好きなサイズにカットできる、比較的安価という特徴があります。

オールブランケットタイプ
プラスチックフィルム、アルミニウム、ポリエチレン繊維、プラスチックフィルムの4層からなる薄手のマットです。一見レジャーシートみたいですが、NASAが開発した多目的シートで保温性と耐久性があります。最大の特徴は汎用性の高さハトメがあるのでタープ使用、グランドシートやエマージェンシーシートの代用としても使うことができます。

「テントマット」って本当に必要?

ところで、人によっては「敷布団だけあれば寝られるし、テントマットはいらない」と思うかもしれません。半分正解で半分は不正解。たしかにカーペットなしでも寝られますが、地面からの冷気を防いでくれます。また雨がテント内に浸水した際にシュラフや自身が直接濡れないようにする役割もあります。「快適な部屋と眠り」にはあったほうがいい!というのが、テントマット使用者からのコメント。

「でも荷物が増えるし……」というのもためらう点。折りたたんでもかさばってしまうテントマットですが、ザック内部の背中側に入れるなどパッキングの工夫次第で多少容積をカバーできます。快適さをとるか、荷物が少ないのをとるか。テントで何泊するかや山に行く季節などもイメージしながら選んでみましょう

人気テント&タイプ別おすすめマット

テントマットの種類には「銀マット」と「オールウェザーブランケット」がありましたが、そのほかにもメジャーな山用テントには純正テントマットが販売されています。純正ならサイズを考えなくていいので、選ぶのも楽ですよ。ちなみに床面積のサイズは1人用テントは100×200mm、2人用テントは130×210mm程度が目安です。

銀マットを選ぶ際には、1~3mm程度のものがおすすめです。厚いほど保温性は高まりますが重量と容量が増えるので、ザックに収まらない可能性があります。また100均などでも購入できますが、耐久性も考慮しましょう。

モンベル

厚さは3mmですが、ポリエチレンフォームが高密度なので冷えを遮断する効果が高いです。しっかりとした素材なのでへたりにくいというのも長い目で見ると経済的。サイズも1~4まであるので、ステラリッジなどテントのサイズと合わせて選べます。

アライテント

アルミニウムフィルムにポリエチレン発泡体を接着した、厚さ2mmの薄手マット。Lはエアライズ1に使えるサイズです。アライテントでは10mm厚のロールマットや、1m単位での切り売りテントマットなども販売しています。

銀マット(パイネ)

厚さ1mmというのは薄い部類に入るので、テントマットは持って行きたいけど容量も減らしたいという人にはおすすめ。

オールウェザーブランケット(グラバー)

NASA開発の多目的マットはカラーバリエーションも豊富。登山以外ではレジャーマットとして使用できるので一家に1枚あっても活躍の機会があります。サイズは約152×213cmと1人用テントでそのまま使うには大きいので、折って使います。

テントの居住性を高めるならば、持っていたい1枚

「これまでシュラフマットしか使っていなかった!」という方にも、テント泊がより快適になるギアとしておすすめの「テントマット」。値段もそれほど高くなく導入しやすいですので、ぜひ一度試してみてください!

© 株式会社スペースキー