オールスター・ゲーム選出に相応しい「非ノミネート」の5選手

すでに2019年オールスター・ゲームのファン投票はスタートしているが、投票対象としてノミネートされている選手以外にも、「write-in vote」といってノミネート外の選手に投票することも可能である。MLB公式サイトでは、オールスター・ゲーム選出に相応しい活躍を見せている「非ノミネート」選手としてデレク・ディートリック(レッズ)、ミッチ・ガーバー(ツインズ)、ブライアン・レイノルズ(パイレーツ)、ハウィー・ケンドリック(ナショナルズ)、オースティン・ライリー(ブレーブス)の5選手を挙げている。

今年のオールスター・ゲームはインディアンスの本拠地プログレッシブ・フィールドで行われるが、ディートリックはクリーブランド出身。今季は故障離脱中のスクーター・ジェネットに代わって正二塁手を務め、62試合で17本塁打、OPS.961をマークしている。シーズン本塁打数の自己記録(昨年の16本塁打)をすでに更新しており、「お調子者」のキャラクターを考えると、ホームラン・ダービー出場者の候補にも名前が挙がるかもしれない。

ガーバーはここまで32試合の出場にとどまっているものの、打率.321、10本塁打、OPS1.089という捕手らしからぬ素晴らしい打撃成績をマーク。「なぜ(ツインズの捕手として)ジェイソン・カストロがノミネートされているのか理解できない」と語る者もいるほどである。5月中旬から左足首痛で半月ほど戦列を離れたのは残念だったが、復帰後も打率.296、OPS.869と上々の数字を残しており、春先の大活躍はただのフロックではなさそうだ。

レイノルズは2018年1月にアンドリュー・マカッチェンをジャイアンツへトレードした際の見返りとしてパイレーツが獲得した選手の1人である。プロ入り4シーズン目の今季は、わずか13試合でAAA級を卒業し、日本時間4月21日にメジャー昇格。24歳の新人外野手は、ここまで47試合に出場して打率.340、5本塁打、OPS.934という期待以上の素晴らしい成績を残し、ナ・リーグ新人王レースの先頭集団に加わっている。

ケンドリックはメジャー通算打率.292、通算1660安打の実績を誇る35歳のベテラン選手で、エンゼルス時代の2011年にオールスター・ゲーム選出の経験がある。自慢のユーティリティ性は健在で、今季は一塁、二塁、三塁の3ポジションで13試合以上に出場。56試合で打率.325、11本塁打、OPS.961と打撃自体も好調だが、オールスター・ゲームのファン投票に関しては、決まったポジションがないユーティリティ・プレイヤーであることが裏目に出るかもしれない。

ライリーは日本時間5月16日のメジャーデビューからまだ1ヶ月すら経過していないものの、自慢の打撃で強烈なインパクトを残している。5月はわずか15試合の出場ながら打率.356、7本塁打、OPS1.143の大活躍でナ・リーグの月間最優秀新人に選出。日本時間6月13日のパイレーツ戦では9回裏に起死回生の同点弾を放ち、早くもシーズン10本塁打に到達した。6月に入って少し勢いは衰えているものの、26試合で打率.292、10本塁打、29打点、OPS.959は十分すぎる活躍である。

「非ノミネート」選手がファン投票でオールスター・ゲームに選出される可能性は極めて低いと言わざるを得ないが、こうした「非ノミネート」の有力選手に目を向けてみると、新たな発見があるかもしれない。

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