延岡市議会議長に就任した 松田和己(まつだ・かずみ)さん

 議員生活25年の節目を、市議会27人の代表として迎えた。「議長の仕事はとにかく体力勝負」と、多忙だった就任後1カ月余りを振り返る。
 4月の延岡市議選は、定数2減の27議席を新人14人を含む38人が争う混戦となり、盛り上がりを期待した。だが、ふたを開ければ投票率は過去最低の52.22%。「市民の関心は全く高まっていなかったと衝撃を受けた」
 まずは、市民に目を向けてもらえる議会改革に意欲を示す。二元代表制の原理・原則に立ち返り、議会は行政の追認機関ではないとアピールしていきたい考え。「これまでも施策のチェックや発議、政策提言を誠実に行ってきた。議員の仕事が見える方法を探りたい」
 6人いる初当選議員のフレッシュな視点にも期待し、「慣習や常識に凝り固まっていない人たちの意見で、議会に新しい風を吹き込んでほしい」。
 1995年、勤めていた旭化成の労組から支持を受けて立候補し、初当選した。その後の議員活動で記憶に残る出来事は、2003年の九州保健福祉大薬学部開設と、09年の市清掃工場稼働。「どちらも住民の賛否が割れ、調整の方法など大きな経験や教訓を得た」
 10歳で野球を始め、旭化成ではソフトボール部に所属し、宮崎国体に出場。今も軟式野球を楽しむ。野球少年を指導する時、よく口にする言葉がある。「努力しても結果は出ないかもしれないが、努力をしないと結果は出ない」
 延岡市の自宅に父と妻の3人暮らし。独立した長男は同市、長女は埼玉県川口市に住む。66歳。

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