棚田法成立で江藤首相補佐官インタビュー 省庁横断的に地域支援

棚田地域振興法の意義などについて語る江藤首相補佐官=13日午後、東京・永田町の首相官邸応接室

 本県をはじめ全国の棚田を持つ地域の振興を目指す棚田地域振興法が成立した。自民党の「棚田支援に関するプロジェクトチーム」座長として法案をとりまとめた江藤拓首相補佐官(宮崎2区)に、意義や狙いを聞いた。
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 ―同法成立の意義は。
 「国が棚田地域を『国民的な財産』と認め次世代に引き継いでいけるよう、首相を先頭に全省庁横断的に支援する。必要に応じて財政、税制面の支援もする。国が本気で棚田地域を守るという姿勢を示せば、国民の理解も進むし、棚田地域を必死に守っている人たちも、もうひと頑張りしようと思ってくれるのではないか」
 ―棚田の現状は。
 「農林水産副大臣の時に中山間地域等直接支払の見直しなどもしたが、正直言って条件不利地域の疲弊は止まらない。何とか立法行為によって具体的支援策をつくりたいと考え、党内で『棚田地域の支援をやりたい』と手を挙げた。各省庁は『棚田であれば農業政策。農水省でやればいい』という反応だったが、地域政策として省庁横断的な取り組みにこだわり、理解してもらうよう努めた」
 ―棚田支援には既存制度もある。
 「6省庁に43事業があるが、棚田地域の人も自分たちが使える施策に何があるのか分からない。各省庁の施策が分かるワンストップの窓口となるような人材が必要。施策も各省庁が積極的にPRするように変えた方がいい。制度が使い勝手が悪ければ変更し、予算が足りなければ概算要求で増額要求をすればいい」
 ―将来的にどのような棚田地域を描いている。
 「棚田があったからこそ、地域が廃れずに済んだというところまでできたらいい。例えば、棚田を訪れる人のために再生した古民家を利用した民泊ができたり、直売所やトイレを造ったり、棚田のある地域に関わることであれば何でも支援できるようにしたい。今後、国の基本方針策定に積極的に関わっていくつもり。政策も既存制度にとどめるつもりはなく、毎年見直しながらブラッシュアップさせていくことが課題だ」
 (東京・永田町の首相官邸応接室で)

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