『M-1グランプリ2019』期待される兄弟コンビ・ミキ「優勝するなら、今年でしょうね」

日本一おもしろい漫才師を決める『M-1グランプリ2019』が、今年も12月に開催される。6月13日に東京・渋谷のヨシモト∞ホールで催された開催記者会見には、昨年覇者の霜降り明星をはじめ、ミキ、見取り図、ゆにばーす、トム・ブラウン、アインシュタイン、からし蓮根、たくろう、東京ホテイソン、EXITが出席した。

昨年、4,640組の頂点に輝き、初の平成生まれ同士のコンビで、史上最年少王者となったのは霜降り明星(当時せいやは26歳、粗品は25歳)。チャンピオンとなった翌日からいまだにテレビ番組からのオファーが絶えず、冠番組も開始。CM契約も増え、活動拠点を地元・関西から東京に移した。

「(優勝から)半年経ったんですけど、マジで休みないです」と、うれしい悲鳴を上げるのは、せいや。先日、路上に倒れていた男性を一緒に救護した相手が、偶然にも“美しすぎるお姉さん”壇蜜だったことでも話題になった。奇遇すぎる遭遇にロマンスがウワサされたが、「『ごはん行きませんか?』って言えなかった」と恐縮した。

一方の粗品は『M-1』後、ピン芸人日本一決定戦『R-1ぐらんぷり2019』も制して、史上初の2冠王に。新元号が令和になった際は、「これも見てくれてんのやって思ったのが、令和という言葉が新しくできて、手話がついたんですよ。それが、こうなんですよ」と、片手を前に出す自身のツッコミのポーズを見せた。上昇気流に乗る霜降りは、新時代さえ味方につけたようだ。

そんな2人は、本年度の参加を考えていない。そうなるとガ然鼻息が荒くなるのは、昨年目の前で歴史が動く瞬間を見た面々だ。3年連続準優勝という『M-1』史上唯一のコンビ・和牛は、会見に不在。その和牛との覇権争いを今年も繰り広げそうな兄弟コンビ・ミキは、「優勝するなら、今年でしょうね」(昴生)と、3度目の正直に期待をかける。

昨年、決勝9位だった見取り図は、『M-1』に焦点を絞って単独ライブの回数を増やし、新ネタを量産した。同6位だったケイダッシュステージ所属のトム・ブラウンは、唯一の非よしもと芸人として爪跡を残した昨年に続き、いい波に乗りたいところだ。同10位(最下位)だった男女コンビ・ゆにばーすの川瀬名人は、「優勝したら(芸人を)辞めさせていただきます」と、昨年に続いて引退宣言だ。

会見の模様は、LINE LIVEとYouTubeでライブ配信されたが、司会の陣内智則は冒頭で、「みなさん、Yahoo!のトップになるような優勝宣言。もしくは、闇営業行ってますよという」と、タイムリーなネタ振りで場を盛り上げた。これに触発されて、賭けに出たのはミキ・昴生。

優勝賞金1,000万円の使い道を聞かれると、「会社に内緒で、非公表で『闇M-1グランプリ』をやって、カラテカさんと楽しんごさんに……」と提案した。陣内が、「弊社じゃない人だ」と即座にツッコむと、昴生は「審査員は宮迫(博之/雨上がり決死隊)さん」とカブせた。「彼は弊社だ。やめなさい、そういうこと」(陣内)と、よしもと流の応酬で笑わせた。

『M-1』は今年も、プロ・アマ、所属事務所の有無を問わず、コンビ結成15年以内(2004年1月1日以降)なら、誰でも出場資格がある。すでにエントリー受付を開始しており、8月1日(木)から全国8地区で、予選1回戦がスタートする。

昨年に制定された「ベストアマチュア賞」も続行。昨年は、大人気漫画家・森田まさのり&長田悠幸の「漫画家」が受賞している。“青春マンガの巨匠”森田による漫才漫画『べしゃり暮らし』は7月27日から、テレビ朝日系で待望の連ドラ化。若手実力派俳優・間宮祥太朗が漫才師を演じ、劇団ひとりが自身初の演出を担当する。

イヤーエンドの『M-1』は、ドラマとの相乗効果で盛り上がりそう。令和初の第16代チャンプへの期待がふくらむ。(写真・文/伊藤雅奈子)

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