タクシー消滅の可能性も 三浦の公共交通を考える会

 三浦市内の公共交通について考える意見交換会が15日、市民交流センター(同市初声町下宮田)で開催される。「消滅可能性タクシー」と銘打ち、人口減などで地域経済が後退する中、地元のタクシー業者が厳しい経営を迫られている現状を紹介。地域課題として、市民生活への影響を考える。

 市民らでつくる「三浦の未来ホントにそれで委員会」の主催。

 同市三崎で約80年前に創業し、現在も営業所を置く「いづみタクシー」(横須賀市)の八木達也社長が講演。地元のタクシー業界の現状を説明し、打開策を提案する。

 八木社長によると、三浦のタクシー業は、マグロ漁が盛んだった昭和40年代に最盛期を迎え、以後、担い手も売り上げも徐々に減少。同社の1日の平均稼働台数は当時の三分の一近くまで落ち込む。売り上げの減少に伴い、若い世代が入ってこなくなり、ドライバーが高齢化している。

 「営業はほぼボランティア。いずれタクシーがまちからいなくなる可能性がある」と八木社長。「地域の高齢化が進む中、普段から通院や外出の際に利用する市民が困りかねない。(三崎港発午後9時半ごろの)最終バスで帰宅する人ばかりとなり、飲食店への影響も大きい」と指摘する。

 同委員会の安原芳宣さんは「タクシーの問題は地域の問題。タクシーが消えれば利便性は後退し、まちの経済はますます冷え込む。三浦の未来について一緒に考えていきたい」と話している。

 午後6~8時。入場無料。問い合わせは、安原さん電話090(8946)7867。 

© 株式会社神奈川新聞社