水分野のリーダーが公益事業のデジタル変革の道程を策定

国際水協会(IWA)とザイレムの白書がデジタル導入のトレンドを示し、移行推進を助ける主な知見を提示

  • 白書は世界の公益事業会社40社と業界のオピニオンリーダー20人以上からの意見を活用
  • 新しいデジタル・ウォーター導入曲線により公益事業者がデジタル変革の道程上の進捗を把握可能に:自社のデジタルの未来や広範囲の分水域と地域社会のために創出できる影響について大胆に考えることを水事業リーダーに促すレポート

スコットランド・エジンバラ--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- 国際水協会(IWA)と世界的水技術企業のザイレム(NYSE: XYL)は本日、デジタル・ウォーター:変革の道程を策定する業界リーダー(DigitalWater: Industry Leaders Chart the TransformationJourney)と題した包括的な白書を発行しました。

デジタル化がどのように水分野の変化を導いているかを検証したこの重要なレポートは、デジタル・ソリューションの導入を加速させ、重要な水問題に取り組むために必要な実用性の高い知見を公益事業の意思決定者に提供しています。また、公益事業者がデジタル成熟度の評価やデジタルの未来の構想に利用できる新しい価値あるツール「デジタル・ウォーター導入曲線」も紹介されています。レポートの主たる執筆者は、水に関するオピニオンリーダーで著作家のウィル・サルニ(ウォーター・ファウンドリー最高経営責任者)です。

気候変動、人口増、都市化の拡大、インフラの老朽化など、世界の水問題は深刻さを増しています。最新の国連データでは、世界人口のおよそ半数にあたる36億人が、2050年までに1年に最低1カ月水が欠乏する可能性のある地域に住むようになり、50億人以上が気候変動、需要増、水源汚染に起因する水不足に悩まされるようになると推定されています。こうした状況において、上水・下水事業者は、持続可能な水管理を推進するためにデジタル技術などの新しい画期的なソリューションに目を向けています。

IWAエグゼクティブ・ディレクターのカラ・ヴァイラヴァムーシーは、次のように述べています。「世界の水問題が深刻化している今、デジタル・ソリューションは、最も貴重な資源である水資源の最適化、管理、保全を行う大胆な新しい方法を世界の地域社会に提供します。『デジタル・ウォーター:変革の道程を策定する業界リーダー』は、公益事業者が同業者から学び、デジタル技術の力を借り、世界の地域社会が水を確保できるよう、IWA会員の知見を活用しています。力を合わせることでのみ、水資源の未来を築けるのです。」

ザイレムのパトリック・デッカー社長兼最高経営責任者(CEO)は、次のように述べています。「世界は水についての考えと行動を改める必要があります。端的に、そうする以外の手はないのです。水の欠乏、入手容易性、回復性などの水問題は、何百万人もの生命を脅かし、環境と世界経済を危険に晒し、社会の進歩の障害となっています。これらは緊急の脅威であり、何か遠い将来の問題ではありません。その解決は私たちにかかっており、問題は日に日に大きくなっています。私たちは飛躍的変化を起こす必要があり、デジタル・イノベーションはその答えです。この白書は、世界の水分野の関係者の行動を喚起するものです。私たちには、水問題を解決して歴史を変える一世一代の機会がもたらされています。皆で、この機会を捉えましょう。」

デジタルの道程に関して公益事業者が語る貴重な教訓

「デジタル・ウォーター:変革の道程を策定する業界リーダー」は、デジタル化のあらゆる段階にある水公益事業者へ価値ある洞察を提供します。また、レポートは公益事業の主要なリーダーが自ら語る意見も伝えています。

白書に意見を寄せたおよそ40社の公益事業者の1社であるガーナ水道公社のRichard Appiah Otoo最高技術責任者は、次のように述べています。「世界はデジタル化の方向に舵を切っています。ガーナ水道公社は、デジタル技術導入後、水道料金の回収効率の向上と利用者へのモバイル請求方式の提供により、収入が14パーセント増加しました。」

ワシントンDC水道局のBiju George執行副局長は、次のように述べています。「デジタル戦略は全社的な戦略でなくてはなりません。何もしなくてもいつの間にか始まっているという類のものではなく、きちんと計画する必要があります。そのために、従業員の研修が必要であり、あらゆるプロセスの見直しも求められます。効率的な意思決定を行うために必要なデータを供給するシステムの設計も必要です。」

ノヴァ・ヴェオリア・フランスのClaire Falzone最高経営責任者(CEO)は、次のように述べています。「迷っているなら、試してみることをお勧めします。一気に変革するのが不安であれば、まず小規模で試してみましょう。これは、デジタル水事業の道程の始まりに過ぎません。そして、貴社がデジタル技術を導入しなければ、他社がそうするでしょう。」

レポートの主な知見を以下に紹介します。

1.全体的なデジタル・ロードマップと明確な事業戦略を構築する:公益事業者は、デジタル道程をどう進めるかの内部合意を形成し、デジタル化プロセスの全体を通して常に顧客と事業成果に焦点を当て、主な関係者(消費者、政治家、株主、経営陣、従業員)に周知する必要があります。

2.イノベーションの文化を創造する:公益事業の運営部門、ITスタッフ、財務部、技術者、幹部、その他すべての人が、新技術を見出す意識を持たなくてはなりません。しかし、導入を進めるには、公益事業者は組織全体でデジタル・イノベーションを受け入れるための関心を高め、能力を育成することに注力する必要があります。

3.機敏な思考のために試行を行う:パイロット・プロジェクトは、新しい技術を探求し、勢いを付け、大規模な導入を決定する前に事業運営への実際的・財務的影響を俯瞰的に理解する手段となります。

4.データ使用を最適化する仕組みを構築する:データから価値を創出し、公益事業インフラと接続性を効果的にデジタル化するためには、財務、エンジニアリング、ITスペシャリストなどの部門が事業プロセスを最適化するために運用データセットを利用できるデータ・ウェアハウスを開発することが不可欠です。

編集者への注記

白書について

白書「デジタル・ウォーター:変革の道程を策定する業界リーダー」は、IWAデジタル・ウォーター・プログラムの下で作成される一連の発行物の最初のものです。白書はこちらからご覧いただけます:https://iwa-network.org/projects/digital-water-programme/

発表

白書は第16回IWA上下水道における最新技術会議の会期中の2019年6月11日火曜日午前10時45分から午前11時45分(英国夏時間)に、英国スコットランドにあるエジンバラ国際会議センターのペントランド・オーディトリウムで発表されました。

IWAデジタル・ウォーター・プログラムについて

IWAデジタル・ウォーター・プログラムは、水セクターのデジタル化に関わる技術革新、知識、最良事例の推進力として働き、経験を共有して水事業のデジタル水ソリューションへの移行におけるリーダーシップを促進するプラットフォームを提供し、「通常業務」からデジタル水事業へ到達する自然な進化を導くための教訓を集積することを目的としています。詳細情報については、http://iwa-network.org/projects/digital-water-programme/をご覧ください。

国際水協会について

国際水協会(IWA)は、水の専門家と水の将来について取り組んでいるすべての人に開かれたネットワークであり、国際的な地球規模の知識ハブです。70年以上の歴史を持つIWAは、世界の水の専門家同士をつなげ、より広範な持続可能性の課題の一部として、世界の水問題の解決策を探求しています。130カ国以上に会員を有する非営利団体として、IWAは先進的な研究によって持続可能な解決策を生み出せるよう、研究者と専門家および地域社会の連携を図っています。加えて、IWAは、国際的な枠組みと基準を通じて技術革新と最良事例の促進と支援を行っています。詳細情報については、www.iwa-network.orgをご覧ください。

ザイレムについて

ザイレム(XYL)は、世界有数の水技術企業として、世界の水問題に対する革新的な技術ソリューションの開発に取り組んでいます。当社の製品とサービスは、公益事業、工業、住居、商業ビルのサービス現場で水の移動、処理、分析、監視を行い、環境に戻しています。ザイレムは、水、電気、ガス用のスマート計測、ネットワーク技術、高度なインフラ分析ソリューションの主要ポートフォリオも提供しています。当社の約1万7000人の従業員は、包括的で持続可能なソリューションを特定することに特に重点を置いて、幅広い用途の専門知識を生かしています。ザイレムは、ニューヨーク州ライブルックに本社を置き、2018年には52億ドルの売上高を計上し、数多くの市場をリードする製品ブランドを通じて、150カ国以上で事業を展開しています。

ザイレムという名前は古典ギリシャ語に由来し、植物内部で水を運ぶ組織です。これは、自然界に存在する最も優れた水の搬送と当社の事業を結びつけることによって、当社の水を重視した事業のエンジニアリングの効率性を明確に表しています。詳細情報については、www.xylem.comをご覧ください。

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