平和大使ミュージカル 主演の元AKB48岩田さん 被爆の実相 学び、伝える 被爆者と面会、署名活動の呼びかけも

高校生と署名活動に取り組んだ岩田さん(右)=JR長崎駅前高架広場

 核兵器廃絶を訴える署名を国連欧州本部に届けるなどしている高校生平和大使を題材にしたミュージカルの上演を前に、主演を務めるアイドルグループAKB48の元メンバーで、女優の岩田華怜さん(21)が14日、被爆の実相を知り今後の演技に生かそうと、被爆者の山川剛さん(82)と長崎原爆資料館(長崎市平野町)で面会し、話を聞いた。
 山川さんは長崎に原爆が投下された経緯や、最新の推計で世界に1万3880発の核弾頭があること、長崎に原爆が投下された年月日を尋ねた調査で、正答率の全国平均が2割台だった現状などを紹介。山川さんは「1945年に初めて地球上に核兵器が生まれた。核兵器が人類を滅ぼすか、人類が核兵器を滅ぼすかの選択を迫られるスタートになった年」とし、74年前について学ぶ意義を強調した。
 この後、岩田さんは館内を見学。「こうして学ぶことによって、正答率が上がっていく未来を私たちがつくっていくしかない。東京に帰ったら、周りにできる限り伝えたい」と話した。
 岩田さんはミュージカルのPRに長崎を訪問。13日夕には高校生1万人署名活動実行委のメンバーらとJR長崎駅前高架広場で30分間、署名への協力を呼び掛けた。「とても緊張した。これを毎週やってるみんなはすごい」と若い世代の熱意を感じていた。
 ミュージカル「Signs!~微力だけど無力じゃない~」は、主人公の平和大使の成長や、20年以上にわたる平和大使の軌跡を描く。8月8~12日に東京都渋谷区の文化総合センターで上演される。

山川さんの話を聞く岩田さん(右)=長崎原爆資料館

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