豊肥線の復旧費、熊本県が12億円負担 地元分全額、運行再開へ前進

©株式会社熊本日日新聞社

 熊本地震で被災したJR豊肥線の不通区間(肥後大津─阿蘇、27・3キロ)の復旧工事について、蒲島郁夫知事は14日の県議会一般質問で、復旧費の総額を50億円程度と明らかにした。その上で改正鉄道軌道整備法の補助制度が適用された場合に必要な4分の1の地方負担額12億円程度を、県が全額負担するとの方針を示した。

 県が地方分の全額負担の方針を固めたことで、JR九州が目指す2020年度中の運行再開に向け、大きく前進した。

 同法が適用されれば、JR九州が半額を負担し、残りを国と地方が4分の1ずつ負担する。ただ地方負担分を巡って阿蘇市などの沿線市町村から「負担は受け入れられない」との声が強く、復旧見通しの最大の懸案となっていた。

 蒲島知事は約50億円の復旧費について「豊肥線の運輸収入だけでは復旧費を賄えない」と説明。「豊肥線は九州の横軸を結ぶ重要路線で、阿蘇だけでなく県全体への波及効果が大きい。確実に早期復旧させるためには改正鉄道軌道整備法の補助制度を活用する必要がある」との認識を示した。

 JR九州も同日、これまで明らかにしていなかった復旧費の総額を50億円程度とし、「熊本県に補助制度活用の判断をしていただき大変ありがたい。一日も早い運転再開に向けて、着実に復旧工事を進めていく」とコメントした。

 同社は今後、県、沿線市町村と協議し、長期的な運行確保に関する計画を作成。計画が国土交通省の審査を通過すれば補助金の交付が決まる。

 豊肥線は、16年4月の熊本地震で土砂流入や落石などの被害を受け、鉄道と国道57号が寸断された。その後の豪雨も重なり、不通区間全体で51カ所の被害が確認されていた。

 自民党の河津修司(阿蘇郡区)への答弁。(野方信助、宮崎達也)