高田南 残工事の方針公表 長与の土地区画整理事業 民間資金を活用 長崎県説明会に県内外44社

高田南土地区画整理事業=長与町高田郷

 工事の長期化が問題となっている西彼長与町の高田南土地区画整理事業について、町から受託施行している県は、早期完了を目指して残工事を一括発注するため、民間資金を活用した実施方針を公表した。設計・建設期間は来年3月から5年間。長崎市大橋町の県長崎振興局で14日、民間事業者向け事業説明会を開いた。
 説明によると、対象区域は同土地区画整理事業の施行地区(49.8ヘクタール)のうち山林などを含む約19ヘクタール。事業名は「高田南宅地整備事業」。道路や宅地整備の設計・建設と、新たな宅地となる保留地(約2.3ヘクタール)を町から取得する企業の連合を募集する。本年度中に契約し工事終了は25年3月の見通し。
 説明会には県内外の44社から約80人が参加。県長崎振興局長与都市開発事業所の日迫利文所長が「残工事の一括発注に当たり、長与町としては財政負担を軽減できるよう大規模保留地の売却費用を建設費に充当したいと考えた」とあいさつ。参加者からは保留地の工事の時期などに関する質問が出た。今後も民間事業者との意見交換の場を設けるという。
 同土地区画整理事業は1986年着手。工期延長と事業費の増額を繰り返しながら30年以上経過したが、宅地造成が完了したのは全体の6割。総事業費は約316億円。

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