メクル・平和特集号「ピースをあつめて」 いろんな角度から考える 長崎・山里中 平和部

朝からピースゾーンを清掃する生徒=長崎市立山里中

 長崎原爆(げんばく)で焦土(しょうど)と化した場所に立つ長崎市高尾(たかお)町の市立山里中(野口耕(のぐちこう)校長、512人)には、20年以上前から生徒会の中に「平和部」があります。
 原爆や戦争について知り、日常(にちじょう)の平和を積み重ねることを大切にしている同校。毎月9日、またはその前後を「平和を考える日」とし、朝のホームルームで戦争や人権(じんけん)について考え、話し合っています。各クラスの平和委員は、その進行をしたり、平和モニュメントがある校内の「ピースゾーン」の清掃(せいそう)をしたりするのが大きな役割(やくわり)です。
 3年で平和委員長の三吉鈴音(みよしすずね)さん(14)は「山里中では平和についていろんな角度から考えながら学校生活を送ることができる」と教えてくれました。
 6月は、太平洋戦争末期に地上戦で多くの市民が巻(ま)きこまれた沖縄(おきなわ)戦がテーマ。組織(そしき)的な戦闘(せんとう)が終結したとされる6月23日を「慰霊(いれい)の日」として、沖縄県内では休日になっていることなどを平和委員が紹介(しょうかい)し、生徒たちは知っていることを発表しました。原爆以外にも知らなければならないことがあり、歴史が忘(わす)れ去られないよう「自分たちが関心を持たなければ」との思いを新たにしました。
 野口校長は「今までの積み重ねにより、生徒たちは平和への思いをしっかり持って発言ができる。ここで学ぶ生徒として“平和の創(つく)り手”になってもらえたら」と期待しています。

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