1万2475人の応募から選ばれた1人 京セラDで「1球5万円」の始球式バイト

谷口歩さんの投球を見守るオリックス・K-鈴木【写真:(C)PLM】

「パーソルDAY 京セラドーム大阪編」、交通費宿泊費も支給ありの高待遇

 6月2日に京セラドームで行われた「パーソルDAY」。パーソルDAYは、パシフィック・リーグのオフィシャルスポンサーであるパーソルグループが、パ・リーグの各球団主催の全6試合を協賛して行う試合で、5月11日には札幌ドームで行われ、この京セラドーム大阪でのオリックス-日本ハム戦が今季2度目のパーソルDAYとなった。

 この日は「大阪代表 バファローズ高校(初出場)」というイベントとの同日開催となっており、大阪桐蔭高校吹奏楽部による演奏や、スペシャル選手紹介アナウンスなど、華やかな雰囲気で試合を盛り上げた。

 今回のパーソルDAYの目玉は、an超バイト「始球式バイト」だ。このan超バイト、プロ野球ファン垂涎の「野球にまつわるお仕事」ができる1日限定のバイトだ。一生に2度あるかという滅多にできないことを体験できて、1日5万円の給与。交通費宿泊費も支給あり。高待遇なだけあって案の定応募数も凄まじい。今回の始球式バイトは「1球で5万円」というキャッチーさもあって話題を呼び、1万2475人の応募があった。

オリックス・吉田正尚のサイン入りユニホームがプレゼントされた【写真:(C)PLM】

 その中からたったひとり選ばれたのは、オリックス・バファローズの大ファンという大学4年生の谷口歩さん。実は野球のプレーヤー経験は「趣味で少しやるくらい」で運動歴は主にバスケットボールなのだそう。「実家が神戸でスカイマークスタジアム(現・ほっともっとフィールド神戸)が近かったこともあり、小学生の頃からファンクラブ会員でした。今日はちょっと、いやだいぶ緊張していますが、全力でストライク取れるよう頑張ります!」と意気込みを聞かせてくれた。

 そんな谷口さんに、吉田正尚外野手のサイン入りユニホームをプレゼント。「打席に立つときに、自分の世界を持っている吉田正尚選手のファンなんです」と谷口さんは感慨深そうに眺め、袖を通した。

始球式の前にはオリックス・中川圭太とキャッチボールを行った【写真:(C)PLM】

 グラウンドに降り立ち、まずは中川圭太内野手とキャッチボール。「やっぱりプロの球は重いですね。同じところにボールが収まるのもすごい。感動しました」とプロの迫力と制球の精密さを実感。始球式はもちろんすばらしい体験になったであろうが、同年代でプロ野球選手として活躍する中川とのキャッチボールも、また忘れられない経験になっただろう。

 そして名前をコールされ、すみやかにマウンドへ。投球練習はない、やり直しも効かない一球入魂の勝負。そんな緊張感のある中で、谷口さんは堂々としたピッチングを披露! 投球を終えた谷口さんに話を聞くと……。

日本ハム・西川遥輝が打席に立つ中、始球式を行った【写真:(C)PLM】

5万円の使い道は…「就活中なので、おいしいごはんを食べて英気を養いたい」

「緊張しました……! ちゃんとホームまで届いてよかったです。(顔色ひとつ変えない余裕の投球に見えたが?)そんなことないです(笑)。でも、本当にうまく投げられてよかったです。慣れない硬球でしたが、高城俊人選手が受けてくれるという安心感がすごかったです」

 この日を待ち望んでいたのは谷口さんだけでない。球場には、谷口さんの家族も駆けつけた。「昔は祖母によく球場に連れて行ってもらっていたので、いつかは僕が連れて行く番だと思っていましたが、大学生になってからなかなか一緒に観にくることができていませんでした。今日は始球式で投球するということで、祖母を連れてくることができて良かったです」。絶好の機会での孝行に、お祖母さまやご家族もさぞかし喜んだことだろう。

 最後に気になる5万円の使い道を尋ねると、「今、就活中なので、おいしいごはんを食べて英気を養いたいです」となんとも実用的なお答え。今日の緊張を乗り越えられたのだから、就活もきっとうまく行くはず。頑張れ! 谷口さん!

 今後もパーソルDAYはパ・リーグ各地の球場で開催される。6月16日(日)には福岡・ヤフオク!ドームのソフトバンク-DeNA戦でパーソルDAYが開催。こちらのan超バイトでは選手の打席入りをアナウンスする「ウグイスバイト」が行われる予定だ。今後のパーソルDAYの予定は下記の通り。

ソフトバンク@福岡 ヤフオク!ドーム
6月16日(日)vsDeNA

西武@メットライフドーム
7月21日(日)vsオリックス

楽天@楽天生命パーク宮城
8月4日(日)vsロッテ

ロッテ@ZOZOマリンスタジアム
8月31日(土)vsオリックス

始球式後にはバファローベル、バファローブルと記念撮影【写真:(C)PLM】

(「パ・リーグ インサイト」海老原悠)

(記事提供:パ・リーグ インサイト)

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