洋画家・宮永岳彦の世界 秦野で生誕100年企画展

初公開の油彩画「賓」(右)などが展示された「宮永岳彦 生誕百年展」=宮永岳彦記念美術館

 美人画で知られる神奈川県秦野市ゆかりの洋画家・宮永岳彦(1919~87年)の生誕100年を記念した企画展が、宮永岳彦記念美術館(同市鶴巻北)で開かれている。遺族から寄贈された初公開の油彩画7点や、美人画、デザイン画を年代順に展示し、多彩な画業を伝えている。来年2月24日まで。

 静岡県出身の宮永は、2度の兵役後、1946年に実家のある同市名古木のアトリエに戻り、61年まで創作活動を続けた。87年に68歳で亡くなるまでに油彩画、ポスター、小説の表紙画、挿絵、水墨画など多彩な作品を残した。

 企画展のために東京都内の遺族が作品を寄贈。軽やかな服装の女性を描き絶筆となった油彩画「讃」、ステンドグラスを背にするドレスの女性を描いた100号の大作「賓」などが並んだ。

 20代に描いた油彩画や、100号を2枚使い、白い衣装に身を包んだ女性たちの優美な姿を描いた大作「翔 ボッティチェルリ『プリマヴェラ』想」などの作品のほか、宮永が使っためがねや絵の具、キャンバスを立て掛けるイーゼルも展示している。ギャラリースタッフの高橋三枝子さんは「画家としての生涯を一度に見ていただける展示になっている。令和の時代に昭和の大家の画業を知ってほしい」と話す。

 午前10時から午後7時(入館は同6時半)まで。月曜(祝日の場合は翌火曜)休館。観覧料300円。問い合わせは、同美術館電話0463(78)9100。

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