地域づくり、中学生も一役 湖東中「地区生徒会」21年目 清掃、廃品回収、夏祭り…貴重な戦力

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本年度の活動内容について打ち合わせる湖東中の生徒と地域の自治会役員ら=熊本市東区

 熊本市東区の湖東中で、生徒たちが清掃活動や催しなどを通じて地域社会に関わったり、安心安全な地域づくりを提案したりする「地区生徒会」という取り組みが、今年で21年目を迎えた。生徒らが学校外で住民たちと交流を深める市内でも珍しい活動だ。

 子ども会活動などで地域と関わりを持つ機会がある小学生に比べ、部活動や勉強などで忙しい中学生は関係が希薄になりがち。地区生徒会は、自治会活動への関わりを促すのが狙いで、原則全校生徒が参加する。

 同中などによると、約25年前に始まった江津湖周辺の清掃ボランティアが前身。当時は学校が荒れており、生徒の健全育成に地域の協力を得る目的で始まったという。

 全校生徒約400人は、それぞれが住む計12の町内会ごとに、清掃や廃品回収、花壇作りなどに協力。各自治会も、生徒からの提案を受けて夏祭りや盆踊り、バーベキュー、もちつきといった“お楽しみイベント”を一緒に開くのが特徴だ。

 1日、同中で開かれた本年度1回目の地域連携推進会議には、各町内の自治会役員と「地区長」を務める生徒ら約70人が出席。町内ごとに、本年度の活動スケジュールや夏祭りのプログラムなどを確認した。

 同会議は地域の問題点などについて、自治会が生徒たちの要望を把握する場としても機能している。実際、会議での生徒の意見が、街灯の設置や老朽化したカーブミラーの補修など、安全な地域づくりに反映された。

 地区長の1人で3年の堀江朱莉さんは「地域に貢献している実感を持てる」。一方、清掃などへ参加する生徒が少ないといった課題もあり、「一人でも多く活動に協力するよう呼び掛けたい」と意欲を燃やす。

 会議に出席した砂取校区青少年健全育成協議会長の北崎佳正さん(69)は「元気な中学生は地域の貴重な戦力」と期待。「一緒に活動し、成長を間近で見守ることが住民の喜びにもつながっている」と話す。

 社会教育が専門の山城千秋・熊本大教育学部教授は「中学生を地域社会の一員として活動に参加させる取り組みは素晴らしい。生徒も、住民による自治会活動の実態や意義など知ることができるいい機会」と話す。(都市圏部・山口尚久)

(2019年6月16日付 熊本日日新聞朝刊掲載)