「こころの電話」ピンチ 熊本地震後、相談員3割減 受け付け短縮も

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熊本地震を機に深刻な相談員不足となっている「熊本こころの電話」

 熊本県精神保健福祉協会の電話相談「熊本こころの電話」が、熊本地震を機に深刻な相談員不足となっている。受け付け時間を短縮して対応しているが、相談員がおらず開設できない日も出てきた。関係者は「これ以上減ると、存続に関わりかねない」と危機感を募らせる。

 こころの電話は1984年、社会問題化する自殺の予防を目的に始まった。研修を受けた看護師や教師、会社員らが相談員となり、1日2~3人態勢で対応してきた。年中無休で受け付ける相談は、自殺に関する内容のほか、家族や病気、精神的な悩みなど多岐にわたる。

 運営委員会によると、2015年度に173人いた相談員は、地震が起きた16年度は137人に減り、18年度は117人となった。被災して転居したり、親族の介護が必要になったりして辞めた人が多いという。新聞のチラシなどで募集しているが、思うように増えないのが現状だ。

 このため、地震前は午前10時~午後10時だった受け付け時間を、17年度から午前11時~午後6時半と4時間半短縮した。それでも安定的に相談に応じるには、150~200人程度が必要という。

 15年度に7921件あった相談件数は、18年度は4618件と減少。運営委員長の矢田部裕介さん(43)は「悩みを持つ人が減った訳ではなく、利用しやすく、不安な気持ちに陥りがちな夜間の時間帯をなくしたことも影響している」と分析している。

 インターネットなどに比べて「電話の会話は苦手」という若者も増えているが、矢田部さんは「相談員とリアルタイムで言葉を交わし、信頼関係を築けるのは電話ならでは。相談員となって、県民のメンタルヘルス向上に一役買ってほしい」と協力を呼び掛ける。

 事務局TEL096(285)6884。(臼杵大介)

(2019年6月16日付 熊本日日新聞朝刊掲載)