【MLB】大谷翔平は「化け物」のまま!? 右肘手術後も痛烈打球連発で米メディア“安堵”

エンゼルス・大谷翔平【写真:Getty Images】

昨年10月に右肘手術、「化け物から普通になってしまうのだろうか?」との懸念も…

 エンゼルスの大谷翔平投手は15日(日本時間16日)、敵地レイズ戦で4打数無安打と4試合ぶりのノーヒットに終わった。それでも、6月に入ってからは13試合で打率.306、5本塁打、14打点をマーク。月間の長打率は.694、OPS(出塁率+長打率)は1.058を誇る。

 復帰直後の5月に比べ、確実に状態を上げてきている二刀流右腕について、権威ある米スポーツ誌「スポーツ・イラストレイテッド」は「投手のキャリアは中断しているが、打者ショウヘイ・オオタニは変わらず良い」とのタイトルで特集。右肘靭帯損傷という怪我のため、昨年10月にトミー・ジョン手術を受けた大谷に対して周囲が少なからず感じていた不安も、払拭したと見ている。

 同誌は特集の中で「ショウヘイ・オオタニがトミー・ジョン手術を受けたことによる最悪な結果は、2019年に投げられないということではない。怪我により、成長中のスーパースターのキャリアが損なわれてしまうかもしれないという不安だった」と言及。「オオタニはすでにルーキーイヤーに二刀流としてプレーできると証明した。しかし、この先肘の怪我がどのように影響するだろうか? 化け物から普通になってしまうのだろうか?」という懸念があったというのだ。

 ただ、今季打者に専念している大谷は上々のスタートを切っている。13日(同14日)の敵地レイズ戦では日本人メジャーリーガーとして初のサイクル安打を達成。記事ではこの結果を受けて「投手オオタニが以前のような状態でいられるのかはまだ分からない。しかし、打者オオタニが変わらずに良いということは明らかである」と断言し、大谷が今季刻んでいるデータを紹介している。

「彼がまた高い打球を打てるようになれば、結果は素晴らしくなる」

 数字はサイクル安打を達成した試合の直後のものだが、「オオタニの四球と三振率は昨季とあまり変わらない。ライナーとハードヒット率もそうである。コンタクト率は少し上がり、空振りが減っている。平均打球速度も少し上がり、昨季の92.6マイル(約149キロ)から今季は93.1マイル(約149.8キロ)となっている」と指摘。多くのデータが昨季と同等かそれ以上だというのだ。

 一方で、打球角度の平均が昨季の12.3度から2.5度に下がり、ゴロが多くなっている点を「懸念」としつつ、14日(同15日)時点で長打率が.500を超えているという点から「彼のパワーは間違いなく凄まじい」と指摘。4打数無安打に終わった15日(同16日)の時点で長打率は.488とやや下がったが、大谷のパワーは米国でもしっかりと認められている。

「彼がまた高い打球を打てるようになれば、結果は素晴らしくなるだろう。オオタニの打撃が失われてしまうかもしれないという心配していた状況にはなっていない」

 打球に角度がつき始めれば、打撃はもっと素晴らしくなると記事では指摘。心配どころか、昨季を上回る活躍を見せてくれると米メディアは考えているようだ。(Full-Count編集部)

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