クリテリウム・デュ・ドーフィネ2019はデンマークのフグルサンが総合優勝

7月に開催されるツール・ド・フランスの調整レースとなるフランスのクリテリウム・デュ・ドーフィネ(UCIワールドツアー)は、6月16日にクルーズからスイスのシャンペリまでの113.5kmで最終区間の第8ステージを競い、デンマークのヤコブ・フグルサン(アスタナプロチーム)が、2017年に続いて2度目の総合優勝を果たした。

総合2位は米国のティージェイ・バンガルデレン(EFエデュケーションファースト)、総合3位はドイツのエマヌエル・ブフマン(ボーラ・ハンスグローエ)だった。

総合2位で最終ステージをスタートした英国のアダム・イェーツ(ミッチェルトン・スコット)は、レースを途中棄権した。チームによれば、彼は朝、熱が出ていたそうだ。

最終ステージはオランダのディラン・ファンバールレ(チームイネオス)とオーストラリアのジャック・ハイグ(ミチェルトン・スコット)が逃げ切り、最後のゴール勝負はファンバールレが制して、UCIワールドツアーのレースで初優勝となる区間優勝を果たした。

最終ステージを制したファンバールレ

最終区間は12km地点でアタックした逃げが逃げ切った

(MAP: ASO)

第8ステージは115選手が出走。スタートからアタックが続き、12km地点で12人が逃げ出した。ここにファンバールレ、ハイグ、そして山岳賞のマイヨ・アポワを着たジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ)が加わっていた。

アラフィリップは2つ目に越えたカテゴリー2の峠の山頂を先頭で通過した時点で、山岳賞受賞が確定した。3つ目の峠を越えた後、ニールス・ポリット(チームカチューシャ・アルペシン)が追いついて先頭は13人になった。

49km地点のコルビエール峠(カテゴリー1)も、アラフィリップが先頭で通過。集団とのタイム差は3分45秒になっていた。ここでアダム・イェーツはレースを棄権した。ゴールまで残り50kmで、タイム差は4分以上に広がったが、それ以上にはならなかった。

先頭では最後から2つ目のコート・デ・リブ(カテゴリー1)の登坂でセプ・クス(チームユンボ・ビスマ)がアタックし、カール・フレデリックハーゲン(ロット・スーダル)、ファンバールレ、ハイグとともに先行した。そこから残り16kmでハイグがアタックし、ファンバールレが合流して先頭は2人になった。

総合争いは総合7位のティボー・ピノ(グルパマ・FDJ)でも33秒差という僅差だったが、集団で大きなアタックはかからずに進行した。先頭の2人が残り1kmのフラムルージュを通過した時にやっとピノがアタックし、集団はバラバラになったが、フグルサンのマイヨ・ジョーヌを脅かすような動きにはならなかった。しかし、このアタックでオーストラリアのリッチー・ポート(トレック・セガフレード)がメイン集団から脱落してしまった。

先頭の2人はそのまま集団に2分近いタイム差を付けて逃げ切り、最後のゴールスプリントはファンバールレが難なく制して区間優勝を手中に収めた。メイン集団は同タイムでゴールし、レースを終えた。

フグルサンは今季、ベルギーのリエージュ〜バストーニュ〜リエージュでも優勝していて、これがUCIワールドツアーのレースで2勝目だった。

■2度目の総合優勝を果たしたフグルサンのコメント

「ボクは実際よりもずっと厳しい日になるだろうと予想していたが、チームはスタートから完璧なやり方でそれをコントロールしてくれた。ボクにとっては最後まで青いリムジンでジャンプしたようなものだった。アダム・イェーツに何が起こったのかは知らないが、何かの理由で止まったようだし、クライスウエイクも何か問題があった。昨日の寒さが数人に影響したんだ。

2017年と比較すると、この勝利は特別だ。ボクはマイヨ・ジョーヌ・エ・ブルーで走ったからね。2年前は区間2勝もしていたから、多分ずっと華々しかった。この勝利もすごく嬉しいよ。ボクの次のレースはツール・ド・フランスだ。楽しみにしているよ。ボクは正しい方法に進んでいると思う」

■第8ステージ結果[6月16日/クルーズ~シャンペリ(スイス)/113.5km]
1. VAN BAARLE Dylan (TEAM INEOS / NED) 3:05:48
2. HAIG Jack (MITCHELTON - SCOTT / AUS) +0
3. HAGEN Carl Fredrik (LOTTO SOUDAL / NOR) +50
4. BARGUIL Warren (TEAM ARKEA - SAMSIC / FRA) +1:12
5. KUSS Sepp (TEAM JUMBO - VISMA / USA) +1:12
6. REICHENBACH Sébastien (GROUPAMA - FDJ / SUI) +1:12
7. ALAPHILIPPE Julian (DECEUNINCK - QUICK - STEP / FRA) +1:16
8. LUTSENKO Alexey (ASTANA PRO TEAM / KAZ) +1:59
9. MEURISSE Xandro (WANTY - GOBERT CYCLING TEAM / BEL) +1:59
10. BUCHMANN Emanuel (BORA - HANSGROHE / GER) +1:59

11. QUINTANA Nairo (MOVISTAR TEAM / COL) +1:59
12. LAMBRECHT Bjorg (LOTTO SOUDAL / BEL) +1:59
13. BARDET Romain (AG2R LA MONDIALE / FRA) +1:59
14. PINOT Thibaut (GROUPAMA - FDJ / FRA) +1:59
15. POELS Wout (TEAM INEOS / NED) +1:59
16. FUGLSANG Jakob (ASTANA PRO TEAM / DEN) +1:59
17. MARTIN Daniel (UAE TEAM EMIRATES / IRL) +1:59
18. VAN GARDEREN Tejay (EF EDUCATION FIRST / USA) +1:59
20. PORTE Richie (TREK - SEGAFREDO / AUS) +2:05
22. TEUNS Dylan (BAHRAIN - MERIDA / BEL) +2:38

第71回クリテリウム・デュ・ドーフィネ 個人総合最終成績

1. FUGLSANG Jakob (ASTANA PRO TEAM / DEN) 30:44:27
2. VAN GARDEREN Tejay (EF EDUCATION FIRST / USA) +20
3. BUCHMANN Emanuel (BORA - HANSGROHE / GER) +21
4. POELS Wout (TEAM INEOS / NED) +28
5. PINOT Thibaut (GROUPAMA - FDJ / FRA) +33
6. TEUNS Dylan (BAHRAIN - MERIDA / BEL) +1:11
7. LUTSENKO Alexey (ASTANA PRO TEAM / KAZ) +1:12
8. MARTIN Daniel (UAE TEAM EMIRATES / IRL) +1:21
9. QUINTANA Nairo (MOVISTAR TEAM / COL) +1:24
10. BARDET Romain (AG2R LA MONDIALE / FRA) +1:38

11. PORTE Richie (TREK - SEGAFREDO / AUS) +1:44
12. LAMBRECHT Bjorg (LOTTO SOUDAL / BEL) +3:17

[各賞]
■ポイント賞 : VAN AERT Wout (TEAM JUMBO - VISMA / BEL)
■山岳賞 : ALAPHILIPPE Julian (DECEUNINCK - QUICK - STEP / FRA)
■新人賞 : LAMBRECHT Bjorg (LOTTO SOUDAL / BEL)
■チーム成績 : ASTANA PRO TEAM (KAZ)

レース公式サイト

第8ステージのハイライト映像

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