第22代高校生平和大使 23人結団式 「被爆者の思い 後世に」

決意を述べる高校生平和大使=広島市中区、アステールプラザ

 スイス・ジュネーブの国連欧州本部に核兵器廃絶の署名を届ける第22代高校生平和大使の結団式が16日、広島市内であり、長崎県内の3人を含め、16都道府県から選ばれた過去最多の23人が核兵器廃絶に向けて決意を新たにした。

 式では1人ずつ決意表明。被爆校の鎮西学院高に入学したことを機に高校生1万人署名活動に参加した同校2年の内山洸士郎さん(16)は「核廃絶を訴え続けている被爆者の強い思いを風化させないように世界へ発信していきたい」と意気込んだ。

 東日本大震災で「地震が起きたらすぐ高台へ逃げろ」という先祖の教えを守り避難したという岩手県立盛岡第三高2年の齊藤愛(まな)さん(17)は「後世に語り継ぐ大切さを痛感し、被爆者の思いを伝える重要性も感じている。世界に被爆の実相を伝え続けたい」と決意を述べた。

 内山さんと広島の高校生1人は式後、「ローマ法王の来日前に平和大使の活動をアピールしたい」として、19日に予定されている法王フランシスコの一般謁見(えっけん)に参列するため、バチカンに向けて出発した。

 平和大使の派遣事業は1998年に開始。これまでに178万5688筆の署名を国連に届けた。15日は、長崎北陽台高2年の田平彩乃さん(16)、活水高2年の橋田晏衣(あい)さん(16)ら今年の平和大使が、元広島平和記念資料館長で被爆者の原田浩さん(79)の講話に耳を傾け、同館の見学や被爆遺構巡りなどを通じて原爆への理解を深めた。8月7~9日に長崎で研修を受け、18日に出国する。

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