大村“個の力”で圧勝 女子かじ付き4人スカル 全九州高校大会 ボート 未完成のチーム「まだまだできる」

【ボート女子かじ付き4人スカル決勝】トップゴールして喜ぶ大村のクルー=長崎市、県形上湾ボート場

 文字通り、頭一つ抜けたレースだった。ボート女子かじ付き4人スカルの大村が2位に7秒以上の大差をつけてトップゴール。クルー結成から約2カ月という未完成のチームが卓越した“個の力”を結集して圧勝した。「このメンバーなら全国でも入賞、優勝ができると思う」。バウの樋口が力を込めたように、さらなる飛躍を感じさせる大会になった。

 3月の全国選抜大会のダブルスカルで日本一に輝いた山崎と松尾のペアを解消。2人をクルーに組み込んで、この艇に懸けた。そこにあったのは「誰と誰が組んでも結果は一緒」とそれぞれが認め合うほど拮抗(きっこう)している個人の漕力。「ダブルでいかないのかな、という思いもあった」(山崎)が、溝上監督には勝算があった。「まずはクルー内でもっと競い合ってほしい」。現時点では一人一人の成長を促した。

 その期待通りに、個の力はそのままチーム力となって表れた。この日は準決勝でタイムが伸び悩み、厳しい暑さで体調不良者も出たが、オール3年生のクルーみんなで支え合ってリカバリー。決勝は終始テンポ良く艇を進め、序盤からぐんぐん差を広げていった。

 レース後、山崎の問い掛けに全員が声を弾ませた。「まだまだできるよね?」「うん!」。コックス金崎は「いいところも悪いところもみんなで共有できている」と胸を張った。夏の大舞台で再び「大村」として頂点に立つために、選手たちはやるべきことを分かっている。

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