新幹線利用で往復1.3万円、出張にも使える”神プラン”出現 超繁忙期に東京発名古屋日帰り往復してみた【コラム】

東京発名古屋往復が新幹線利用で約1.3万円…しかも土日やゴールデンウィークにも使え、1名利用も可能。夢のようなプランが、今年の初め頃から一部界隈で話題になっている。

通常の東京・名古屋間の新幹線片道正規料金が1.1万円程度であることを踏まえれば、およそ半額で往復できるということだ。一体どういうことなのだろうか。過去にも東京~名古屋間を格安で異動する方法を取り上げていた弊誌では、実際にこの新たなプランを検証すべく、超繁忙期であるゴールデンウィークに1人日帰り名古屋往復を敢行した。

名古屋に行くのに、目的地は「安城」?

格安で名古屋に行く手段として、JR東海ツアーズが発売している旅行商品「JHT 愛知■日帰り1day豊橋・蒲郡・岡崎・安城・三河安城」を利用する。そう、この商品の目的地は名古屋ではなく「豊橋・蒲郡・岡崎・安城・三河安城」である。

この旅行商品では、利用できる新幹線の区間は、東京発の場合「東京~豊橋間」(三河安城が目的地の場合、東京~三河安城間)。指定席の利用も可能だ。蒲郡・岡崎・安城が目的地の場合、豊橋以西は在来線の利用になる。

一方、豊橋~名古屋間は、JR東海が特別快速・新快速などが頻発しており、主に2名掛けのクロスシートが装備された車両で運行している。所要時間は約1時間だが、東京圏の近距離電車に比べてはるかに快適だ。

この2つの要素を組み合わせると、東京~豊橋間を新幹線で、豊橋~名古屋間を在来線で移動してしまうというアイデアが浮かぶ。先述の旅行商品で在来線の最西端・安城を目的地にすると、旅行代金は税込12,000円。いつでも同料金、売り切れはなさそうだった。豊橋駅に停車する直通列車であれば、全ての列車を選択でき、発売数の制限もない模様。

これと、安城~名古屋間の往復普通乗車券(470円×2=940円)を組み合わせると、トータル12,940円。東京発名古屋往復新幹線日帰りプランの出来上がりだ。新幹線なのかどうかについては歯切れが悪くなるが…

ちなみに、東京~豊橋間を新幹線で、豊橋~名古屋間を在来線で移動すると、合計の所要時間は最短約2時間半。最速とはいわないが十分に実用的だろう。

実際にやってみた

ふるさとや行楽地から都市部に戻る「Uターンラッシュ」のピークである5月5日に、名古屋に日帰りで向かってみた。

豊橋に停車するひかり号は限られており、日帰りで現地の滞在時間を長くするためには、東京を午前6時26分に発車するひかり501号または午前8時33分に発車するひかり505号が良いだろう。

東京(06:26)~(ひかり501号)~豊橋(07:59/08:05)~(特別快速)~名古屋(09:05)

※土休日は豊橋(07:59/08:09)~特別快速~名古屋(09:01)

東京(08:33)~(ひかり503号)~豊橋(09:56/10:02)~(快速)~名古屋(10:58)

※土休日は豊橋~名古屋間は新快速利用、時刻同じ

最速で名古屋に午前9時過ぎに到着できる、ひかり501号を利用する。指定席車両に乗車していたが、乗車率は高くない。東京を出て、品川・新横浜・小田原と乗客を乗せるが、窓側の座席が埋まらない程度だった(画像は東京発車直後)。

豊橋には午前8時前に到着。乗換改札を通って東海道線の特別快速へ。土休日なので乗客はまばら。蒲郡・岡崎・安城と停車するにつれて乗客は増えるが、クロスシート車両なので快適性はあまり損なわなかった。

名古屋に午前9時1分に到着。時刻表通り2時間35分で到着でき、あっという間だった。

夜7時過ぎまで名古屋滞在可能

名古屋からの帰りも、スピーディに移動が可能だ。おすすめなのは、次の乗り継ぎだ。

名古屋(19:43)~(新快速)~豊橋(20:39/20:47)~(ひかり534号)~東京(22:10)

※土休日は名古屋駅同時刻発の新快速利用、豊橋には午後8時38分着

少し豊橋での乗り継ぎが時間がないものの、この旅行商品では、乗り遅れても後続列車の普通車自由席を利用できるので、安心だ。豊橋駅で途中下車ができるので、名古屋駅をもう少し早く出てもいいだろう。名古屋駅では乗客が多いので、着席したいなら早めの整列もおすすめだ。

ただ、今回はUターンラッシュのピーク時だったため、一本あとの最終こだま号でのんびり帰ることにした。豊橋を午後9時8分に出て、東京駅には午後11時14分に到着。この日はトラブルのせいで到着が若干遅れたものの、さほど混雑していないこだま号は快適であった。

他にも「使える」旅行商品はある!

上で紹介した名古屋新幹線往復1.3万円プランは、新幹線を利用できるコスパ最強なプランと筆者は思っているが、そのほかにも、JR東海ツアーズのページではビジネス利用も可能なプランがあった。

[caption id="attachment_113778" align="alignnone" width="600"] 日帰り1day行っトクか! 名古屋(首都圏地区発)[/caption]

名古屋まで新幹線で往復するならば、「JHT 愛知■日帰り1day名古屋■首都圏発」と「日帰り1day行っトクか! 名古屋(首都圏地区発)」が最安に近い。いずれも1.6万円ほどだ。ただ、利用列車が限定されていたり、繁忙期は値段が異なったりしており、今回は利用しなかった。

今後もこの商品に限らず、お得な商品が設定される可能性は十分にあるので、ぜひ旅行会社のページやTraicyをチェックしてほしい。

名古屋では足早に「なごやめし」を堪能

ちなみに、ゴールデンウィークに出張をするような「業務」というものはないので、心優しい編集長に頼み込んで、なごやめしを堪能させてもらった。どれも美味であったので、読者の皆さんにも紹介して、この記事のまとめに代えたいと思う。

ひかり号では、車内販売があるので、朝6時から新幹線の”すごい硬い”アイス。静岡デスティネーションキャンペーン中なので、復活したいちごアイスを頂く。

午前9時過ぎに名古屋駅に到着後、名駅は混雑していたので、名古屋モーニングの有名店「コンパル」に行こうと栄の店舗(栄東店)へ。モーニングセットとして名物のサンドウィッチがいただける。ホットコーヒーに砂糖を溶かしてから氷のグラスに注入する、独特なアイスコーヒーも好み。

同11時台には、愛知の離島に疎開していた編集長と合流して、「うなぎ和食 しら河今池ガスビル店」へ。連休ともあって大混雑だが、上ひつまぶしと小鉢のセットは、うなぎを十二分に堪能できる。

午後になって、大須観音と、商店街をまわる。人の多さに並行しながら金山駅周辺へ。ちょっと変わった北欧の風を感じるカフェ「ラヤキヴィ」へ。フィンランドパンケーキが、味わいが新鮮で美味。

夕方、なごやめしの〆は、味噌煮込みうどんをチョイス。「山本屋大久手」は名古屋駅から遠いが、一度味わっておきたかった。濃厚な味噌の風味に舌鼓をうつ。

帰路の新幹線では赤福。もちろん名古屋めしではないが、東海地方に行くと買いたくなる。新幹線の中で美味しく頂いた。

© Traicy Japan Inc,