生田斗真が4時間半出ずっぱり! ギリシャ悲劇を基にした英国の名作劇「オレステイア」上演中

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6月6日から東京・新国立劇場で上演中の舞台「オレステイア」。本作は、アイスキュロス作の「オレステス」を中心とした「オレステイア」3部作を軸に、そのほかのギリシャ悲劇を盛り込んだ物語を、世界から注目を集めるイギリスの作家・演出家、ロバート・アイクが大胆に再構成した意欲作だ。

戦争で勝つために「子殺し」の信託を実行し、わが娘をいけにえとして差し出すため殺害した父と、娘の仇を討つためわが夫を殺す妻、そうした父母の姿を見たトラウマから混乱していく息子など、悲しい負の連鎖や運命の重さなどを描いた古典の名作。本作の日本初演にあたり、読売演劇大賞最優秀演出家賞などの受賞歴もあり、その実力にも定評のある上村聡史氏が演出することでも話題になっている。

初日上演の直前に行われた会見で、主人公の息子・オレステスを演じる生田斗真は、約4時間半という長い上演時間も「ほぼ出ずっぱり」と宣言。「僕の腰か、座っているお客さんの腰か、どちらが先に壊れるかのガチンコ勝負」と笑いを交えて語りつつ、「今の時代は、InstagramやYouTubeなど、多くの人は短い映像を見ることが増えていると思うけれど、この舞台はそういう流れとは逆行するような作品かもしれない」ときっぱり。「そもそもお芝居を見るためにわざわざ劇場まで足を運ぶという体験自体が、舞台の魅力」とも熱弁し、「長い上演時間の中で、声色や表情の変化を出していけたらいい」と意気込みを明かした。

また、最近は体を動かす芝居が続いており、会話劇は久しぶりだという生田は、稽古場でもムードメーカーだったようで、オレステスの姉・エレクトラ役を務める音月桂は「監督からダメ出しをされた時、たまに生田さんがクシャッと笑う姿を“ヴィーナスのほほ笑み”と呼んで、癒やしにしていました」と暴露。それに対して生田は「笑顔があまりない、大変なお芝居だから、あえてヘラヘラしちゃいました」と告白した。

会見の最後に再び、「見に来てくださる方はお尻に気を付けて!」と冗談を飛ばした後、「非日常さを感じさせてくれる新国立劇場は本当にすてきな劇場で、椅子のクッションも素晴らしいからお尻の心配はそこまでじゃないです」と、前言をひるがえすかのように強調した生田。「ここまで長い時間を何かに没入して楽しめるというのは、演劇にしかない醍醐味(だいごみ)。チケットを買って、劇場を訪れるという経験をひっくるめて、どうか楽しんでほしい」と結んだ。

出演はほかに、趣里、横田栄司、神野三鈴ほか。6月30日まで上演中。

取材・文/井上佳子