メッシがいるのに、アルゼンチンがコパ・アメリカで勝てない5つの理由

『Sportskeeda』は16日、「リオネル・メッシがいてもアルゼンチン代表がコパ・アメリカに勝てない5つの理由」という記事を掲載した。

世界最高の選手として評価されるメッシ。その実力は圧倒的なものだが、代表チームをタイトルに導けないことからディエゴ・マラドーナよりも劣ると比較されてしまっている。

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一時は代表引退を決断したものの、今回のコパ・アメリカに向けてメッシはチームに復帰。今度こそ優勝を手にしようと意気込んでいるが…。アルゼンチンがそれでも勝てない5つの理由とは?

メッシへの過度な依存

2003年11月にデビューして以来、リオネル・メッシは間違いなくサッカーの歴史上最大クラスの選手と見なされるようになった。

この31歳のスターが作り出した数字は多くが文章化されているので、それを繰り返すことは無駄だ。何年にも渡って彼は自身の才能が我々の想像を超えていることを見せており、試合を決める能力を示してきた。

メッシがいるチームは試合の全てで有利になるはずなのだ。アルゼンチンのマエストエオは、ドリブルでもパスでも、フィニッシュでも相手を破壊できる。

しかしその一見超人的に見える彼にも欠点がある。過度な責任を負わされたときに消極性が出るということだ。メッシが信頼を寄せられる選手が、アルゼンチン代表にはそれほどいない。

そのため、彼にあまりにも成功の可否が依存している。そうなるとメッシはチャレンジを避けるようになってしまう。

大会前の準備が上手く行っていない

世界の強豪として知られているアルゼンチン代表であるが、コパ・アメリカの前に行なわれた直近の10試合で4敗、1引き分け、5勝だ。これはこのクラスの国にとってはかなり悪い成績だ。

さらに、勝利できた相手はイタリア、ハイチ、ナイジェリア、モロッコ、ニカラグア。イタリアを除けば勝って当然と言える格差マッチだった。

負けたのはクロアチア、フランス、スペイン、そしてベネズエラ。しかも失点数が4試合で16である。もはや弱小チームのような守備だ。

親善試合でニカラグアとモロッコには勝利してコパ・アメリカに臨むことにはなったが、この1年でアルゼンチン代表が見せた残酷なフォームは、大会での失敗を予期するものになっている。

ライバルがこれまでより強い

アルゼンチン代表は現在FIFAランキングで11位。南米諸国では3番手という立場でコパ・アメリカに向かう。

FIFAランキングは別に各国のパフォーマンスを測定するための正確な基準になり得ない。とはいえ3番手になっていることは今の力関係を正しく反映はしている。

2番手はウルグアイだ。エディンソン・カバーニら実績あるベテランやロドリゴ・ベンタンクールのような有望若手がおり、何よりオスカル・タバレスによる長期的な強化が進んでいる。

ブラジルは南米1位となっており、ネイマールが怪我で離脱しても十分にカバーできる選手層がある。優勝候補の筆頭はまちがいなく地元の彼らだろう。現時点でアルゼンチンはトロフィーに近づけるチームと考えるべきではない。

世代交代を進めている

アルゼンチンサッカーのこの15年間は、U-20ワールドカップやオリンピックで何度も勝利を収めてきた年代の選手たちの存在が大きかった。だからシニアのチームも成功できた。

彼らの「ゴールデンジェネレーション」は長かった。セルヒオ・アグエロ、アンヘル・ディ・マリア、ハビエル・サネッティ、ハビエル・マスケラーノら、これらのスターが生きた時代は常にアルゼンチンが強豪だった。

しかし2014年からはその成績が一気に下降しており、もはやアルゼンチンに強烈なヤングスターは少ない。黄金世代の選手たちは徐々にキャリアを終えており、スカローニ監督は世代交代を進めなければならなくなっている。

今回のコパ・アメリカでの23人は。20cap以上を保有しているのが5名のみ。メッシ、アグエロ、オタメンディ、フネス・モリ、ディバラだ。10名は5回以下しか出場経験がない。

経験不足やスター依存は明らかな状態であり、これは若手を育てるためのコパ・アメリカだと考えるべきである。

期待だけが高すぎる

おそらく今回のコパ・アメリカで「勝たなければならない」というプレッシャーが最も大きいのがアルゼンチンだろう。ファンの要求は非常に高く、リオネル・メッシという存在も期待を高めている。

サッカーの歴史上でも最も輝かしいチームの一つであり、かつてはディエゴ・マラドーナが世界を席巻した。しかし28年もの間国際的なトロフィーから遠ざかっており、その不満は高まり続けている。

この肥大したプレッシャーはアルゼンチン代表の選手達の首にぶら下がっている。栄光に駆り立てられる一方、多くの場合は現在の立場以上のものを求められてしまう。

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優勝を義務付けられるだけの実績はないにもかかわらず、それを期待される。ハードルがあまりにも高くなり、選手は要求の大きさによって萎縮してしまう。

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