児湯食鳥、売上高1318億円 3月期連結

 ブロイラー生産販売で国内大手の児湯食鳥(川南町、渡部博行社長)は17日までに、2019年3月期連結決算の概要を明らかにした。売上高は前期比3.7%減の1318億2275万円、経常利益は同29.4%減の76億4504万円。配合飼料の高騰や鶏肉の国内相場の下落が響いたが、高品質・低コストの商品づくりによって依然高水準の収益を確保し、グループ全10社は6期連続で黒字を達成した。
 児湯食鳥単体では、売上高は前期比4.5%減の555億372万円、経常利益は同29.5%減の58億1820万円だった。
 配合飼料の主原料であるトウモロコシの相場は、年初にブラジルやアルゼンチンでの生産量減少などがあって高値が続いたが、米国での豊作によって反落し、それ以降は底堅く推移。ただ、配合飼料相場は穀物相場や外国為替の影響を受け、通年では前年度を上回った。輸入鶏肉は、大半を占めるブラジル産が減ったことから減少。一方で国内生産は増加したものの、近年堅調だったムネ肉の需要に陰りが見え、鶏肉平均相場(モモ肉、ムネ肉合計)は860円と前年度から80円下落した。
 同社は、鶏肉相場の下落と飼料価格高騰によって約26億3100万円の影響を受けたとしており、渡部社長は「仮に鶏肉相場と飼料価格が前期並みだとすれば、前期以上の数字を出すことができた。内容的には実質過去最高益と言っていい」と話している。
 児湯食鳥が海外戦略の一環として、17年3月にベトナムで現地企業と設立したブロイラー生産販売を手がける合弁会社「コユ・アンド・ユニテック」は好調。18年12月期の売上高は前期比約1.7倍の41億1462万円、経常利益は同約19倍の1億1437万円となり、来年度中の新工場建設を計画している。同社については18年12月に子会社化したが、今回の連結決算には入れていない。
 渡部社長は「ベトナム事業については加熱加工品の輸出事業の大幅な伸びによって、本年度は65億円の売り上げ、2、3年後に100億円規模の売り上げとなる見込みであり、経常利益も10億円以上は確実となる見込み。国内鶏肉市場は飽和状態であり、ベトナム事業を中心にミャンマー、インドネシア、マレーシアなど、海外市場での展開を検討中。アジアを中心に児湯食鳥グループ第二の柱を作っていく」と話している。

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