サイバーダイン トイレ移動、ロボで支援 試作機開発

自動走行、便座と合体

©株式会社茨城新聞社

自動走行して便座とドッキングするロボットの試作機

筑波大発ベンチャー企業のサイバーダイン(つくば市、山海嘉之社長)は、寝たきり状態にある高齢者らのトイレ移動を支援するモビリティー(乗り物)ロボットの試作機を開発した。障害物との衝突を回避しながらトイレまで自動走行し、自ら便座とドッキングして排せつを助ける。介護施設や病院での需要を見込み、2020年度以降の実用化を目指す。

同社は主力のロボットスーツ「HAL」に加え、業務用清掃ロボット「CL02(シーエルゼロツー)」などを開発。今回は清掃ロボットの自動走行技術を活用し、センチ単位の高精度な動きを実現した。

3次元カメラやレーザーセンサーを搭載し、壁などの障害物を立体的に検知することが可能だ。あらかじめ利用するエリア内を自動走行させることで、人工知能(AI)がカメラ画像などを基に地図データを作成する。そのため磁気テープによる誘導などは必要ない。

利用者を乗せると、地図データに沿ってトイレまで移動する。このときもカメラ画像などをリアルタイムで処理するため、突然人が現れても衝突を回避できる。便器の前に到着すると、180度回転した上、後退しながら便座とドッキングする。座席の中央部には穴が開いており、利用者は座ったままの状態で排せつできる。

同社は内閣府が主導する革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)の委託を受け、数年前に開発に着した。試作機が完成し、病院での実証実験を進めている。

同社の担当者は「寝たきりの状態になっても、自分でトイレに行きたいという思いを実現する。介護する側にも、介護される側にも役立つ技術だ」としている。(小野寺晋平)