リニア車両基地への回送線、旅客化目指す 神奈川県・黒岩知事

黒岩祐治知事(資料写真)

 リニア中央新幹線の整備計画を巡り、黒岩祐治・神奈川知事は18日、鳥屋地区(相模原市緑区)に建設予定の車両基地への回送線の旅客線化を目指す意向を明らかにした。「車両基地を活用した地域振興の実現に向けJR東海の意見も聞きながら、相模原市と連携して取り組んでいく」と述べた。

 同市は車両基地を活用して宮ケ瀬湖など周辺の観光地と一体となった地域振興策の検討を進めており、本村賢太郎市長は「国や県、JR東海との意見交換などの機会を通じて旅客線化を働き掛けたい」としている。

 県によると、JR側の要請を受けて用地取得事務を受託しており、用地測量は約5ヘクタールの変電施設が設置される小倉地区でおおむね完了。約50ヘクタールの車両基地が建設される鳥屋地区では年度内に約7割まで測量が進む見込みという。

 知事は「車両基地を活用した地域振興は宮ケ瀬湖を含む地域の活性化につながる」と強調。その上で、同市の取り組みについて「地元の声を丁寧に聞いて、まとめてもらうことが重要」との認識を示した。

 同日の県議会本会議で、長友克洋氏(かながわ県民・民主フォーラム)の代表質問に答えた。

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