ヘアケアの常識を覆す AMIMOシャンプーの全て

日本発のシャンプーブランドは、なぜ米国で展開を開始したのか? 自身のバックグラウンドや開発の経緯、そして顧客への思いに至るまでを、開発者にしてブランド代表の荒川智大さんに聞いた。

**「一番」を追い掛けて
カリスマ美容師の挑戦**

  荒川さんが秋田で高校生活を送っていたころ、世はカリスマ美容師ブームだった。

「その影響か、僕は美容師じゃなくて、『カリスマ美容師』になりたかったんです」と荒川さん。「昔から、何かで一番になりたかった」

東京の専門学校を経て、表参道の人気ヘアサロン「ZACC」に就職した。新卒では当時最速記録となる、下積み3年でスタイリストに昇格。ファッション系の全国誌にも掲載され、正真正銘のカリスマ美容師として成功した。

荒川智大さん 秋田県出身。美容専門学校を卒業後、表参道の美容室「ZACC」に入社。 2011年に来米。現在、ニューヨークのヘアサロン「Frederic Fekkai」に勤務する他、ファッションショーやメディアでのスタイリングも手掛ける。 今年、「AMIMOシャンプー」を当地でオンライン販売開始。 AMIMO HAIR CARE(amimo-usa.com)

順風満帆の生活だったが、荒川さんは悩んでいた。尊敬する先輩美容師たちの背中を追い掛け続けるだけではなく、何か「人とは違うこと」がしたい、と。

「他のカリスマ美容師は日本で成功している。だったら自分は世界に出よう、そう思いました」

一年発起して、5年勤めた「ZACC」を辞め、ニューヨークのヘアサロンに転職した。

しかし、荒川さんのキャリアに対する情熱と向上心は、思わぬ方向へとシフトする。それは、髪本来の美しさの追求。髪の持つ可能性の模索とも言えよう。

そして今、荒川さんはAMIMO(アミーモ)シャンプーで、米国のヘアケア業界に革命を起こそうとしている。

きっかけは一人の客

ダメージヘアを救え

AMIMOシャンプーのルーツは、アミノ酸のサプリメントを製造する日本の会社にある。同社の美容部門が開発したアミノ酸の有効成分を使って、美容院である荒川さんの妻の実家が、オリジナルのシャンプーを開発。AMIMOシャンプーと名付けられた。

現在、販売はオンラインを中心に展開していて、日本のみならずアジア諸国に顧客がいるという。

そんなAMIMOシャンプーを、荒川さんが米国展開することになったきっかけは、一人の女性客との会話だった。ソーホーのサロンで働く荒川さんに、彼女は「ロングヘアにしたいのに、髪が細くて、伸ばすと切れてしまう」という悩みを打ち明けた。

「米国では、髪の毛に悩んでいる人が多い」と荒川さんは振り返る。「現地人の約9割が癖毛で、毛が細い印象。脱色のダメージが蓄積しているケースも、よく見られます」

その女性客に、「髪質改善にはシャンプー選びが重要ですよ」とアドバイスすると、「あなたはどんなシャンプーを使っているの?」と聞かれた荒川さん。日本から送られてきたAMIMOシャンプーだと答えると、「私もそれを試してみたい」と女性が言った。

その時、「このシャンプーがあれば、より多くの人の髪の悩みを解決できるのではないか」と気付いたのだという。

「美容師が髪を美しく仕上げられるのは、毎日、どんなに忙しくても10人程度。でもシャンプーを販売すれば、それより多くの人のお手伝いができるんじゃないか、と」

実際に彼女にシャンプーを試してもらうと、あれだけ切れてしまっていた髪は切れず、理想の長さまで伸びた。以前より強い脱色をしても、むしろより艶があり、健康的に見えたという。荒川さんは、このシャンプーの米国での需要を確信した。

そして、縮れ毛や猫っ毛をはじめとした、より多様な髪質にも幅広く対応できるように改良された、米国版AMIMOシャンプーが発売されることとなったのだ。

目に見えない補修

重要なのは低刺激

カラーやパーマの薬剤だけが、髪の傷みの原因ではない。日光を浴びたり、ドライヤーの風を当てたりといった、日々の生活ルーティンの中で、髪はダメージを受けている。

また、刺激が強いシャンプーは余分な皮脂まで洗い流し、髪を逆に傷めてしまうのだが、普及しているシャンプーの多くがこのタイプであることを知る人は、意外と少ない。

「人々がシャンプーに求めるのは、『しっかり洗い流してくれるように見える』見た目と洗い心地。モクモク泡立っている方が、しっかり洗えているように感じて、気分がいいでしょう? でも、その泡立ち成分が、過剰な刺激を髪に与えている恐れがあります」

今ある髪のダメージの原因をいかに取り除き、ダメージの進行を抑えるかということと同じく、あるいはそれ以上に、次に生えてくる髪が健康的になる土台を作ることが重要なのだ。

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髪の救世主・アミノ酸
こだわりの17種含有

そこでAMIMOシャンプーが着目するのが、先述のアミノ酸だ。

世間には「タンパク質配合」とうたっているシャンプーがある。髪の元となるケラチンはタンパク質の一種なので、シャンプーに配合されていれば、髪の補修スピードが早まる、ように聞こえる。だが荒川さんいわく、「タンパク質はキューティクルの隙間よりも大きいので、実は髪の内部に浸透していかない」という。

そこでタンパク質の構成成分である、さらに小さなアミノ酸が補修のカギを握る。AMIMOシャンプーは17種類のアミノ酸を主成分とし、植物由来のエキスを配合。

「他のブランドでは、絶対にありえないぐらいの含有量です」と荒川さんは笑う。「メーカーとして、この内容でこの値段は成り立たないですから」

店舗を持たず、オンラインで直接販売するからこそ、実現する価格設定と言える。

「このシャンプーでより多くの髪を救いたいという思いが、僕にとっては何よりも重要なんです」

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理想のヘアを作る
オール・イン・ワン

「ハイエンドブランドのマーケティングは強い。どんどん新しいシャンプーブランドを出していって、話題を生み続けます」

どのブランドも、こぞって「癖毛」「カラー用」「パサパサ」など、個々の髪質別のシャンプーを売り出す。でも、複数の悩みを同時に抱える人にとっては、1本で全ての悩みを解決してくれるシャンプーはなかなか見つからない。

「みんなが理想に掲げている髪質は、本来、髪が健康なら手に入るはずのものです。健康な状態の髪には、美しいヘアスタイルを作り出す力が、本質的にありますから」

健康な髪の毛を取り戻す、というコンセプトは、最も基礎的、かつどの髪質・ヘアスタイルにも必要不可欠なのだ。そして言い方を変えれば、髪質の悩みを「生まれつき」だと諦めてる人も、状況を改善するチャンスがある。

「AMIMOシャンプーを使い始めてから、効果を実感するまでには個人差があります」と荒川さん。「即日で変化を感じる人もいますが、長くて2週間、使い続ければきっと効果を発揮するでしょう」

髪の変化を実感する前に終わってしまう試供品サイズは販売しない。「1本使えば、AMIMOシャンプーの真の価値が分かる」と、荒川さんは信じている。

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「みんなに使ってほしい」
こだわりの一本

AMIMOシャンプーは老若男女に使える低刺激が魅力。荒川さんの子供は、生まれた時から「全身」をAMIMOシャンプーで洗っているのだとか。

「赤ちゃん肌は、意外と乾燥気味なことが多いですが、うちの子は生まれてこの方、乾燥知らず。髪も、僕がうらやむほどツヤツヤなんですよ」

商品クオリティーへの並々ならぬこだわりと、髪のプロフェッショナルである美容師としての使命感を強く抱く荒川さん。彼の信念は、全てこの1本のシャンプーに込められている。

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