脱線の小田急線「19日中の復旧は難しい」 3人救急搬送

大破した車両=19日午後5時ごろ、厚木市船子

 19日午後2時50分ごろ、厚木市船子の小田急小田原線本厚木-愛甲石田間の本厚木13号踏切(遮断機、警報機付き)で、新宿発小田原行き下り快速急行電車(10両編成)が、線路上で立ち往生していた乗用車と衝突し、先頭車両が脱線した。厚木署によると、乗客のうち3人が体の痛みなどを訴え、病院に運ばれた。

 署によると、乗用車は秦野市の女性(28)が運転。踏切内に進入後、遮断機が下りたため、踏切の外に避難し、非常停止ボタンを押すなどした。

 小田急電鉄によると、運転士は非常ブレーキをかけたが間に合わなかったという。現場の踏切は本厚木駅から南西に約2キロ。約500人の乗客は約50分後から順次、電車を降り、踏切から駅などに向かった。

 影響で同線は本厚木-伊勢原間を運休し、折り返し運転を行うとともに、振り替え輸送を実施。復旧のめどが立たないとして、同区間は終日運転を見合わせると発表した。

 2両目に乗っていた男性会社員(43)は「『ガン』と音がして、その後に大きな衝撃があった。振動で何かを引きずっているなというのが分かった」と事故発生時の緊迫した状況を振り返った。伊勢原市の会社役員の男性(70)は「瞬間的にガソリンの臭いがした。火災が起きるのではないかと怖かった」と話した。

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