警察犬、お手柄だワン 靴下のにおいで女性発見 

不明者の発見に貢献したとして表彰された警察犬のシロ(左)とイロルト=大磯署 

 行方が分からなくなった認知症の高齢者を発見したとして、大磯署は6日、警察犬2頭に表彰状と餌用のジャーキーを贈った。深夜に警官15人が4時間かけて捜索しても見つからなかったが、2頭はわずか25分で不明者を発見。愛らしい“エリート捜査員”のお手柄に同署幹部も「とても頼もしい」と脱帽した。

 表彰されたのは県警鑑識課に所属するラブラドール・レトリバー「シロ」(7歳、オス)とジャーマン・シェパード「イロルト」(5歳、オス)。

 署によると、5月22日午前1時に二宮町内の90代女性が自宅からいなくなったと同居の家族が署に通報。女性は足が悪かったため、署員が自宅周辺を探したが見つからず、警察犬の出動を要請した。

 午前4時半ごろ、2頭が現場に到着。薄暗い中でも女性の靴下をかいだイロルトが自宅から50メートル離れた住宅の車庫でうずくまる女性を無事発見した。女性にけがはなく、署幹部は「その場所は調べていなかった。さすが」と舌を巻いた。

 2頭を子犬の時から見守ってきた同課の東謙一郎警部補(47)と鈴木隆彦巡査長(36)は「どんな現場でも臆することなく進んでいく頼もしい相棒。これからも自分たちと一緒に成長していければ」と目を細めていた。

 県警直轄の警察犬訓練所(横浜市栄区)には14頭の警察犬がおり、年間約600件の犯罪捜査や行方不明者捜査の現場で活躍している。

© 株式会社神奈川新聞社