6月環境月間つながる、支える森里川海プロジェクトin小田原(1)

神奈川県小田原市 広報小田原令和元年6月号 第1202号

©株式会社VOTE FOR

「森・里・川・海」、全ての自然資源がまとまっている自然豊かな小田原。
地域の産業や歴史、文化などを生み出し、わたしたちの生活を支えてくれている森里川海の恵みを次世代に受け継いでいくため、小田原ならではの取り組みを行っています。

■森里川海×大学
小田原森里川海インキュベーション事業「寄気(よせぎ)」

環境保全活動に関わる団体・個人などをつなぐプラットフォームとして、平成28年3月に設立された「おだわら環境志民ネットワーク」。
この「おだわら環境志民ネットワーク」と市、六つの大学が、平成29年度から、「森里川海」をしっかりと次世代に受け継いでいくために、環境分野の地域課題を解決する持続可能な仕組みを共同研究してきました。

◆里×慶應義塾大学
地域ぐるみの獣害対策「わなオーナー制度」

地域課題:増えるイノシシなどによる獣害、耕作放棄地(石橋地区)
・地元自治会や農家などの協力のもと、聞き取り調査などを進め被害状況を把握。センサーカメラやドローンによる生息状況調査も行いました。
・新たな獣害対策モデルとして、「わなオーナー制度」を試行。学生が猟師となって、農家に代わってわな設置や見回りを行い、それらの作業にオーナー登録者が費用負担し同行します。わなの仕掛け方から、害獣にとどめを刺す「止め刺し」や解体といった狩猟体験の他、農作物の収穫などもできる同制度。オーナー登録者は30人を超え、実施期間中、害獣を5頭捕獲しました。獣害対策に関わる人の裾野を広げたとともに、地域を越えた交流を通して地域の魅力発信を積極的に行いました。

◇慶應義塾大学 Y.Sさん
『大学を半年間休学し、自治会のご厚意で石橋にある神社の社務所に住まわせていただきながら、猟師として「わなオーナー制度」を運営しました。地元の皆さんにも協力いただき、市内外の多くの人に獣害や狩猟を身近に感じてもらい、興味を持ってもらえたことがよかったと思います。また、それ以上に、小田原に興味を持ってもらえたことが自分ごとのように、うれしかったです。今後、大学を卒業しても小田原に関わっていきたいと思います。』

◆森里×東京都市大学
放置竹林解消に向けた竹林の管理と伐採竹の活用

地域課題:放置竹林の拡大(下曽我地域)
・ドローンを活用した調査で、竹林の分布状況を把握。対象地域の「竹林マップ」を作成しました。
・地元活動団体の竹林整備作業に参加し、伐採した竹でブランコやトランポリンなどの遊具を製作。他にも、竹パウダーを用いたキノコ栽培や、伐採竹で作る「竹炭」が段ボールコンポストの分解促進材として活用できるかなどを研究しています。

◇おだわら環境志民ネットワーク理事 播摩信之さん
『竹林は昔からあり、人々は生活の中で竹を上手に利用してきましたが、現代の生活の中では見かけなくなってしまいました。竹を利用しなくなり、竹林を放置したことが、荒廃竹林の増加を招いてしまったのです。竹は成長が早く、雑木林に侵入した1本の竹は、数年で美しい里山の風景を一変させてしまいます。里山で育まれてきた豊かな生態系への影響、生物多様性の低下は大きな問題です。今後も放置竹林解消に向けた方策を共に考えていきたいです。』