全米No.1ヒットを独占!JAM Audioの主力ワイヤレススピーカー「Chill Out」など3機種一斉レビュー

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■JAM Audioの主力プロダクト=Bluetoothスピーカーを一斉紹介!

米国発のワイヤレスオーディオブランド「JAM Audio(ジャム オーディオ)」は、2012年に設立されて以来、“リーズナブルな価格でプレミアムな音質を提供する”というコンセプトの下、ワイヤレススピーカー製品を展開。米国ではワイヤレススピーカー市場の100ドル以下のカテゴリーで、設立から2016年まで販売数量No.1の地位を独占したという人気ぶりだ。

米ワイヤレススピーカー市場の100ドル以下で、2016年までNo.1を独占

2018年より一新されたというロゴ、パッケージ、商品群は、ライフスタイル先進国の米国らしいデザイン性を備えている。日本上陸にあたり、5月17日から19日に東京・表参道でポップアップストアをオープンしていたところも、ライフスタイル志向のオーディオブランドらしい演出だ。

そんなJAM Audioの主力プロダクトにあたるワイヤレススピーカーの製品ラインナップから、「Chill Out」(4,370円)、「Zero Chill」(8,250円)、「Hang Up」(3,000円)の3製品をレビューしていこう。

■全米No.1ヒットを記録した小型スピーカー「Chill Out」

最初にレビューするJAM Audioのワイヤレススピーカーは「Chill Out」。全米の50ドル以下のワイヤレススピーカーで売上数量No.1になったこともあるという大ヒットモデルだ。

全米No.1ヒットとなった小型ワイヤレススピーカー「Chill Out」
Chillシリーズには、2台をペアリングしてステレオ再生可能な「Double Chill」もラインナップする

Chill Outは外見からしてユニーク。わずかに楕円になった円筒形に、スピーカーの開口部になっている天面も抉られたような形で曲線を描いている。“JAM”のロゴマークが付けられたストラップも本体に付いている。

本体サイズは79×79×90mm、質量は200gで、ちょうど手のひらサイズといったところだろうか。今回はグレーのモデルでレビューしたが、ラインナップはブラック/グレー/ブルー/クリームソーダ/レッドと全5色を揃えている。デザイン的な面白さと、個性的ながらもポップに走りすぎないカラーリングには実に遊び心がある。

側面に音量調整ボタンとストラップを備える
カラーは5色をラインナップする

Chill Outの構造としての面白いギミックがスピーカー底面部だ。ここにはラバー製のフタが備えられており、開くと充電用のmicroUSBケーブルが収納されている。ケーブルは本体から直に出ているのではなく、同じフタの中のmicroUSB端子に接続して充電を行う。いざ充電しようというときにUSBケーブルが見つからないということも避けられ、ケーブルを本体内部にコンパクトに巻き付けて収納できるのもいい。なお、AUX端子もこのフタの中に配置されている。本機はIP67の防塵防滴に対応しているのだが、このフタが接続端子部のカバーも兼ねているわけだ。

スピーカー底面部はラバー製の蓋がついていて、中には充電端子と付属の充電ケーブルが装備されている
側面にケーブルを通す穴があり、充電しながらの使用も可能

Bluetoothのバージョンは4.2で、コーデックはSBCに対応。内蔵アンプは3Wで連続再生8時間と、小型スピーカーとしてのスペックは十分な水準だ。

ボーカル帯域に厚みを持たせた、バランス良い音質を実現

早速、米津玄師の『Lemon』から音楽を流してみる。スピーカーユニットが上向きについているのだが、ちょうどその真上に、軽やかに音楽が広がる。ボーカルの帯域に厚みがあり、音楽全体がバランスよく拡散する。

宇多田ヒカルの『あなた』では、ボーカルがやはりスッと立ち上がり、歌う姿が目に浮かぶような立体的な音の広がりで聴かせてくれる。低音の押し出しはあまり強くないものの、メリハリはしっかりと出ていて、J-POPなどを聴くにはちょうどいいバランスだ。

映画『ラ・ラ・ランド』より「アナザー・デイ・オブ・サン」を聴くと、軽やかに響くジャズの演奏を背景に、明瞭に浮かび上がるボーカルのバランスが良い。手軽に持ち出せるポータブルBluetoothスピーカーを探している人にとっては、音質というポイントからも有力な選択肢になるはずだ。

■充電ケーブルを本体底に収納できる中型モデル「Zero Chill」

JAM Audioが展開するワイヤレススピーカーで、最もサイズの大きなモデルが「ZERO Chill」。本体サイズは74×74×168mmで、質量は490g。一見するとよく見かける円筒形のワイヤレススピーカーのようだが、天面がやや抉られたような形になっていて独特の存在感を醸し出しているところがJAM Audioらしい。

今回登場した製品の中でもっとも大きいモデルが「Zero Chill」
Chillシリーズの特徴であるカーブした天面、ボディ部分は360度スピーカーのような円柱形

Zero Chillも、スピーカーの底面にあたる箇所にラバー製のフタが取り付けられていて、こちらもChill Out同様、中には充電ケーブルが収納されている。また、microUSBとAUX端子も同じく蓋の中にあり、IP67の防塵防水に対応している。「Chill」シリーズの特徴的な要素である。

一点注意したいのは、購入直後のスピーカー底のフタが非常に硬く密閉されていることだ。フタを開ける際のハンドルにあたる部分もあるので、そこをつまんで強く引っ張ればフタが開く。

Bluetoothスピーカーとしてのスペックは、Bluetoothバージョン4.2で、コーデックはSBCに対応。内蔵アンプは12W、連続再生は22時間とバッテリー駆動時間は十分すぎるほどに確保されている。

スマホとペアリングして試聴を開始。ボーカルの帯域にパワーバランスを集中させたサウンドチューンといえる。

スピーカーの外見から360度サウンドを鳴らすタイプに見えるが、天面の低くなっている方向を正面としてスピーカーユニットが内蔵されていて、音の指向性ははっきりとしている。

天面の中央部を正面としてスピーカーユニットを配置

中高域にフォーカスしたチューニングでしっかりと声を聴かせてくれるので、米津玄師「Lemon」のように、ボーカルメインの楽曲の鳴りっぷりは特に気持ち良い。楽器のなりやややドライな印象だが、素直な音の広がりを見せる。

宇多田ヒカル『あなた』のボーカルも、明るく存在感たっぷりに届けてくれる。低音の量感は欲張りすぎず、一方で音階はかなり下の帯域まできちんと聴き取ることができる。

「アナザー・デイ・オブ・サン」では、やはりボーカルにフォーカスしたサウンドで、楽器による演奏は軽やかかつドライな質感だ。中型サイズのBluetotohスピーカーで歌声にフォーカスしたモデルというのは、低域志向が鮮明な米国のブランドとしては珍しく感じるが、それだけに日本の楽曲と相性も良く、ふだん使いでも気楽に音楽を味わえるワイヤレススピーカーと言える。

本体に巻きつけた充電ケーブルが便利な「Hangシリーズ」

■“スティックパッド”でお風呂の壁にも貼れる「Hang Up」

「Hang Up」は真四角に近い形状の小型スピーカー。3Wのアンプを内蔵し、バッテリー駆動時間は約8時間と携帯性重視のスタンダードなモデルだ。

四角い形状の小型スピーカー「Hang Up」

外見からも分かる通り、Hang Upの特徴は充電ケーブルをスピーカー本体に巻きつけるように収納できるというデザイン。実際にケーブルを伸ばしてみると、microUSB端子の充電ケーブルが約23cmの長さで収納されている。本体はIP67の防塵防滴で、microUSB充電ケーブルの端子部も硬く固定できるゴムキャップが備わっている。

充電ケーブルをスピーカー本体に巻きつけるように収納できる
Hangシリーズには横長にサイズアップした「Hang Around」もラインナップされる

Hang Upの大きな特徴は“壁に貼って使える”こと。背面のゴム蓋の内側に“スティックパッド”と呼ばれる粘着性のシートが搭載されていて、平らな壁に貼り付けられるのだ。

背面のゴム蓋の内側に“スティックパッド”を搭載、これにより壁に貼って使用することも可能

実際に様々な場所に貼り付けてみたが、木製のドアでも難なく固定できるし、浴室のタイルは一度貼り付けると丸1日以上全く落下することなく使用できた。なお、スティックパッドは公式には最大300回まで貼り付け可能とのこと。IP67の防塵防滴仕様なので、お風呂スピーカーとして使うこともできるだろう。

そのサウンドは、小型サイズながら音の抜けが良く、音楽の広がり感もナチュラルだ。米津玄師の『Lemon』は声を重点的に聴かせつつ、サイズ以上にエネルギー感のある低音も鳴らしてくれた。宇多田ヒカルの『あなた』では、声の抜けの良さと音の広がりがやはり魅力に感じる。「アナザー・デイ・オブ・サン」では、ウッドベースがズンズンと響く。壁に貼り付けた際のサウンドも、中域をクリアに出しつつ、見た目以上にエネルギー溢れる低音で楽しませてくれた。

JAM Audioのワイヤレススピーカー3機種は、いずれもサウンドが上手くまとめられるだけでなく、IPX67の防塵防滴性能、遊び心あるギミックまで備えた“個性派揃い”だ。国内のワイヤレススピーカー市場に新風を吹き込む製品群として、大きな注目といえる。

(折原一也)