朝鮮通信使船 対馬来航へ 8月、船の前から行列再現

韓国の国立海洋文化財研究所が復元した朝鮮通信使船(対馬市提供)

 日韓の市民が扮(ふん)した朝鮮通信使行列が対馬市の城下町を練り歩く「対馬厳原港まつり」(8月3、4日)を開催する厳原港まつり振興会(小田貴裕会長)は19日、総会を開き、韓国で昨年復元された朝鮮通信使船の同まつりへの来航を承認した。実現すれば、日本初寄港となる。
 復元船は、韓国の国立海洋文化財研究所が江戸時代の朝鮮通信使で使われた船を模して築造し、昨年10月に進水した。長さ34メートル、149トンの木造。エンジンで航行できる。来航は韓国側が発案し、市が調整窓口を務めている。
 同市内であった総会で、市の担当者は「日韓の許認可はおおよそクリアされている」と説明した。8月2日に厳原港に接岸し、4日の朝鮮通信使行列では、停泊した同船前からパレードを始め、約1.5キロ先の旧対馬藩主・宗(そう)家菩提(ぼだい)寺「万松院」で韓国側代表と日本側代表が友好文書を交わす予定。3日は市民対象の体験搭乗を計画している。
 市文化交流・自然共生課の担当者は「朝鮮通信使にゆかりが深い歴史が対馬にあることを国内外に発信したい」と話している。

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