舞台美術の老舗が話題のバンド「ジュリアナの祟り」を本気でプロデュース! 銅鑼に見える電子ドラム、巻き取りくんで早着替え!

ビートたけし命名のバンド「ジュリアナの祟り」(※5月1日に改名し現在は「エナツの祟り」として活動中)が6月17日、 東京国際フォーラム ホールCにて2ndホールワンマンを開催。 古くから舞台美術を手がけている「シミズオクト」がプロデューズを行い、 新たな機材やシステムに挑戦した。

シミズオクトは昭和7年に創業してから”裏方ひとすじ”を実践し、 スポーツ、 コンベンション、 TV、 コンサートなど幅広く、 会場設営や舞台美術を手がけている会社。 氣志團万博やSUMMER SONIC、 a-nationなど、 多くの音楽イベントの会場設営や舞台美術も担当している。

『ジュリアナの祟りに出会った時”これはなんて演出し甲斐のある面白いバンドなんだ!”と思いました。 メジャーデビューしたばかりですが、 とても面白いバンドで、 わたしたち裏方の力を発揮したら、 その勢いを何倍にもできる!と思ったのです。 今回のライブでは数々の新機材を導入。 新たな試みにも挑戦いたしました。 』と、 取締役副社長清水佳代子は語った。

オープニングでは、 「巻き取りくん」を使用。通常は舞台上に貼ったシートなどを巻き取り、 ステージの転換に使用するシステム。 数々の有名なイベントでも使われているが、 今回は初の試みに挑戦。ボーカル蕪木蓮の十二単風の衣装を巻き取り、 早着替えさせた。

今回特にこだわったのはリーダー江夏亜祐のドラムのセット。 まずは「KTT(カヨコ・ターン・テーブル)」でドラムを360°回転。 ケーブルが絡まらないように計算されて丁寧に製作されている。そして、 ドラムライザー(台座)は「デッド・ブル」を使用し、 前後の稼働も可能にした。

通常のセッティングでドラムは後方に置かれることが多いが、 こうして自在に動かせることで、 今後ドラムの立ち位置や役割も変わってくるのではないか。 さらに、 ドラム後方には「雷神」と名付けた”まが玉電子ドラム”を取り付け、 演奏の幅も広がった。

そして新たに製作した「ドラどら」。 一見ただの銅鑼に見えるが、 これも実は電子ドラム。発砲スチロールなどで製作された銅鑼の中央に埋め込まれた電子ドラムを叩くと、 「ガーン」という銅鑼の音はもちろん、 「ぴゅーん!」というレゲエホーンを鳴らすこともできる。

さらに今回のステージでは、 動画制作支援サービスTextAlive(テキストアライブ https://textalive.jp )を利用した。 TextAliveは国立研究開発法人 産業技術総合研究所(産総研)が研究開発して一般公開しているサービス。 今回は、 産総研と協議の上、 実証実験として制作した動画を加工し、 紗幕に投影させた。 バンドの売りの一つである歌詞の魅力を視覚的に表現し、 その世界観にさらに深みをもたせた。

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