ビールが繋ぐ!京都ブランド「K100ビールプロジェクト」動向に密着してみた

K100ビールプロジェクト

新緑の美しい季節になりました。実はこの時期、ビールの大切な原材料たちも初夏から夏にかけてシーズンを迎えることをご存知でしょうか。

いま、京都で着々と盛り上がりを見せているのが「京都産原料100%ビールプロジェクト」(通称:K100)。

『京都産原料100%ビールプロジェクト』とは…

原料生産者と醸造者がつながることで、京都府全域を活性化、発展させていくともに、ビールの原料生産から加工、醸造、飲食店などでの提供まで、各産業が連携したローカルビール産業の新しいモデル「畑からグラスまで・Field to Glass」を京都の地で確立することを目指した長期プロジェクトのこと。

■詳しくはこちら:合言葉は、畑からグラスまで。「京都産原料100%ビールプロジェクト」始動

ビール女子では、2020年に”京都産原料100%ビール”を造るべく発足したK100プロジェクトの動向に密着しています。まずは、未来に向けてこころざしをひとつにしようと行われた生産者とブリュワーの交流会を取材してきました。

2020年に向けて!生産者とブリュワーが交流

2019年5月18日(土)京都府亀岡市にて、黄金色に輝くビール大麦を背景に、大麦とホップの生産者とブリュワーの交流会が行われました。

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どこまでも広がる黄金の麦畑

京都の各ブリュワリーがつくった京都産原料ビールを関係者たちで味わい、それぞれのビールへの想いを語らうひととき。他にもビールに合う亀岡牛や亀岡産の野菜もふるまわれ、ますます盛り上がりました。

亀岡は、ビール用の大麦を明治時代から100年以上にわたって生産を続けており、その長い歴史をもの語るように、黄金色に輝く麦畑の景色があたり一面に広がります。

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4種類の京都産原料使用ビールがお目見え

参加したブリュワリーは、「京都町家麦酒醸造所」、「スプリングバレーブルワリー京都」、「ウッドミルブルワリー・京都」、「京都・一乗寺ブリュワリー」の4社。

筆者はひととおりいただきましたが、同じ京都産の大麦とホップを使用しているにも関わらず、どれもそれぞれ個性が際立つビールばかり。

スプリングバレーブルワリー京都の『京づくり#003』は、前回よりも更に京都産原料がパワーアップし、鼻から抜けるホップの香りもとても心地良く、完成度が高いエールタイプでした。

想いはひとつ「地元の原材料で美味しいビールをつくりたい」

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京都町家麦酒醸造所の羅さん(左)と大麦生産者の中川さん(右)

生産者の想い、つくり手の想い、みんなの想いがギュッと詰まったK100ビールプロジェクト。2020年には全ての原材料を京都産原料100%にすることを目標としています。

今回の交流会では意外と初めて顏を合わせる関係者たちの場面もあり、こころざしが更にひとつになったような、温かなムードが広がる素敵な会でした。

初夏から夏にシーズンを迎える大麦とホップ

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京都府亀岡産大麦

K100プロジェクトに欠かせない京都産の大麦やホップ。

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京都府与謝野町産ホップ

黄金色の大麦の収穫の後の今は、ホップが鮮やかな緑色になりすくすくと成長し、素晴らしい景色が広がっています。7月に入ると与謝野町のホップはいよいよ収穫を迎えます。

7月にはホップ収穫体験ツアーも    

大麦の黄金色と同じように、ホップの鮮やかな緑もキラリと光ります。京都府与謝野町では鈴なりに実ったホップたちが。

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与謝野町では7月20日(土)、27日(土)にホップ収穫体験ツアーもあり、飲み手や生産者、ブリュワーが集って、コミュニケーションを深めます。

ぷくっとまんまるいホップを実際にさわってみるとサラッとした程よい質感で、カサカサっと鳴り合う音も心地良い。

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与謝野町ホップ生産者の藤原さん。日本ビアジャーナリスト協会の代表でもある彼は亀岡の麦畑交流イベントにも参加。生産者同士が互いに歩み寄ることで、更により良いコミュニティが広がってゆく気がします。

ビアフェスや各店舗でも続々と登場「京都産原料ビール」

なんばクラフトビアライブ2019

2019年5月26日(日)に開催された大阪なんばでのクラフトビアライブ2019でも、京都産原料ビールがお目見えしました。

■1.京都町家麦酒醸造所『抹茶エール』
優しい味のゴールデンエールと抹茶が融合した雅な和のビール。

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京都町家麦酒醸造所の三好さん

■2.ウッドミルブルワリー・京都『れもんエール』
レモンスカッシュのように爽やかな風味で、ゴクゴクと何杯もお代わりしたくなるビール。

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ウッドミルブルワリー・京都の辻本さん(中央)

■3.京都・一乗寺ブリュワリー『K80アンバーエール』
直火醸造を用いることで、麦芽の風味を芳醇に引き立たせる手法を用いた優しい風味のアンバーエール。

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京都・一乗寺ブリュワリーの林さん

■4.西陣麦酒『室町セゾン』

甘いフルーツのアロマ、米麹由来の酸味やまろやかさをセゾンスタイルとして表現

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西陣麦酒の林田さん

■5.スプリングバレーブルワリー京都『京づくり#003』
柑橘系のホップの香りと、発酵由来の甘い香りが調和したエールタイプ。

SVBの新井さん(左)とK100ビールプロジェクト代表の篠田さん(右)

京都ビアラボさんは、今年2月の第1回K100ビールプロジェクトお披露目会で、京都産セッションペールエールを披露してくれました。

京都ビアラボの皆さん

ますます進化していくK100ビールプロジェクト

私たちが飲んでいるビールがどこから来ているのか、どんな風に育てられ、いったいどんな想いで造られるのか。今やすっかり日本中に広がりを見せるクラフトビールは、また新たなステージに進もうとしています。

生産者やブリュワーにより丁寧に大切に造られたもの。それは、どこまでも広がる大麦畑やホップ畑であったり。一口含むと想いが伝わり、目をつぶると想像できる…、まさに「畑からグラスへ」の合言葉が聞こえてくるような。そんな想像をしながら飲んでみると、またひときわ違った感動が生まれるのではないでしょうか。

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麦、ホップに続いてもうひとつの大切な原料である「酵母」もいよいよ京都産へ。ただいま実用化へ向けてプロジェクトが着々と進行中。ビール女子からも、今後のプロジェクトの様子を引き続きお伝えしていきます!

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