釣りで島おこし 青方を国の「モデル港」に 県五島振興局など調査

釣り振興モデル港への応募を目指す青方港=新上五島町(県提供)

 長崎県五島振興局上五島支所と新上五島町、上五島町漁協は、同町の中心部にある青方港の一部を国土交通省の「釣り振興モデル港」事業へ応募する計画を進めている。釣りを通し、観光振興につなげたい考えだ。

 同事業は観光資源として港湾の釣り施設や防波堤を活用する。指定を受けると国からの情報発信や安全対策への助言などで支援を受けることができる。現在、青森港や北九州港など全国で13港が指定されている。

 青方港は国の特定地域振興重要港湾で、フェリーターミナルや水産物の物流拠点がある。県によると、フェリーでの年間乗降数は延べ約3万人という。

 同支所などが応募を目指すのは青方港の北部エリア。同漁協の荷さばき所などもある。8月下旬までに活用策など取り組みをまとめ、応募する。地元の釣り愛好家によると、一帯は山間部からの河口付近で海水中の栄養分が豊富。アジやカサゴのほか、ヒラメやアオリイカなどが釣れるという。

 16日は同支所と町の職員計13人が、岸壁から約100メートル離れた海上にある防波堤(長さ約180メートル、幅約6メートル)で釣りに挑戦。釣り場として危険がないかを確認した。

 同支所建設部建設課の瀬崎昌幸さん(34)は「昨春の赴任以来、家族で始めたが、上五島は初心者でもイカなどを釣ることができる。釣りざおのレンタルなどをすることで、気軽に楽しめる環境が整えば」と期待。同課は「青方港に限らず、この取り組みを広げたい。良い釣りスポットがあれば、住民らから情報を寄せてほしい」としている。

青方港の防波堤で釣りの調査をする職員=新上五島町(県提供)

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