<新潟・山形地震>危険ブロック塀今も 山形県内25ヵ所で倒壊、老朽化や施工不良原因

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上部が歩道側に崩れたブロック塀=19日午前4時15分ごろ、酒田市藤塚

 新潟・山形地震では各地でブロック塀の倒壊が相次ぎ、山形県内だけで鶴岡、酒田両市を中心に計25カ所(20日午後1時現在)に上った。いずれも老朽化や施工不良が主な原因とみられる。下敷きになった女児が犠牲になった大阪府北部地震から1年。今回は通行人らに被害はなかったものの、危険な塀が多く残っている現状が浮き彫りになった。

 「ちゃんと造ってもらったと思っていたが、欠陥工事だったとは」。鶴岡市の無職男性(87)が肩を落とす。

 男性の自宅にあった高さ約1.3メートルのブロック塀は約10メートルにわたって倒れ、道路沿いの電柱にもたれかかった。約20年前の施工時に鉄筋を入れる作業を見た記憶があるというものの、塀と基礎の間に鉄筋は通っていなかった。

 ブロック塀に詳しい東北工大の最知正芳特命教授(建築生産工学)は「本来は鉄筋が基礎から塀の上までつながっていないといけない。完全な施工不良」と指摘する。

 最知教授によると、鉄筋が正しく入っていないために倒れるブロック塀は珍しくない。大阪の事故でも鉄筋の施工不良や劣化が確認された。最知教授は「ひび割れなど表面は調べられても内部の危険性は確かめられない。撤去を進めるのが現実的だ」と強調する。

 撤去費を助成する制度を設けている自治体もあり、鶴岡、酒田両市も最大8万円を補助してきた。2018年度は鶴岡市で5件(17年度0件)、酒田市で25件(同8件)を補助したが、撤去が順調に進んでいるわけではない。

 自宅のブロック塀が崩れた酒田市の農業男性(68)は「補助申請を考えていたが自己負担が必要になるので先送りしていた」と明かす。

 最知教授は「撤去や改修が進んでいない現状で震度5~6の地震があればどこで倒壊してもおかしくない。今回ダメージを受けたブロック塀もあるとみられ、注意が必要だ」と訴えた。