ポラス・名古屋にプレカット新工場、トラック運転手不足に対応

 ポラスグループでプレカット事業を展開する、ポラテック(埼玉県越谷市、 中内晃次郎社長)の100%子会社、ポラテック西日本は、愛知県海部郡飛島村に新たに名古屋工場を開設。5月21日から稼働を開始した。広い面積を確保するため大消費地から離れた内陸・郊外に配置してきたこれまでの工場展開方針を一転。新工場では消費地に近い臨海部に配置することで、物流効率を高め、人手不足が深刻なトラック運転手にとって働きやすい環境づくりをめざす。

 ポラテックは、プレカット加工請負を主力に、茨城県、滋賀県、宮城県、静岡県、佐賀県の5拠点の工場で月産合計17万6000坪(1棟34坪換算で約5200棟分)の構造材生産力を持つプレカット業界最大手。

 同社が名古屋市近郊を含めた中部商圏に供給するプレカット材は年間約4200棟分。その9割以上を滋賀工場(滋賀県甲賀市)で供給してきた。滋賀工場から中部商圏の建設現場まで長距離の邸別配送はトラック運転手にとって効率が悪く、運転手確保が難しくなっていた。

 今後、滋賀工場で加工したプレカット部材は一旦新設する名古屋工場に搬送され、名古屋工場を拠点に建設現場に邸別配送する。「中継拠点からのトラック輸送距離を30km以下とする」ことで、同社が外部委託するトラック運転手にとって長距離運転の負担が減るとともに、「これまで1シフト1回転しかできなかったものが2~3回転可能になる」ことで収入改善にもつながる。

 また新・名古屋工場では、倉庫内のレイアウトを工夫することでトラック運転手の荷待ち時間の短縮にも着手。新たに4段組で腕の短い専用ラックを積込場周辺に採用し、ピッキング作業時に部材を入れ替えたり探したりする手間を解消するとともに、トラックの動線をドライブスルー方式に切り替えることで、現状「1台で約100分」かかっている荷待ち時間を、最短で30分まで短縮することをめざす。

 物流を効率化し、外部委託するトラック運転手にとって働きやすい環境を整えることで、人手不足が深刻なトラック運転手の確保を急ぐ。

今年5月21日に新設した名古屋工場外観(左)と新導入した4段積み・腕の短い物流ラック(右)

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