自宅に注射器、覚醒剤使用の可能性も 県警新たな画像公開

逃走の途中で厚木市内のコンビニに立ち寄った容疑者。県警が防犯カメラの画像を公開した(県警提供)

 保釈中に窃盗や覚せい剤取締法違反などの罪で実刑判決が確定し、横浜地検が収容しようとした男(43)=公務執行妨害容疑で逮捕状=が、愛川町田代の自宅アパートから逃走した事件で、自宅から注射器が押収されていたことが21日、捜査関係者への取材で分かった。覚醒剤を使うために使用した可能性がある。地検や県警は、発覚を免れるために逃走した疑いも視野に捜査している。

 捜査関係者によると、注射器は地検などが20日に行った家宅捜索で発見。注射器以外にも数点を押収したという。

 また、同容疑者が逃走当日の19日に着替えを繰り返した上、散髪もしたとみられることも分かった。外見を変えて逃走を図る狙いがあるとみられる。

 県警は、同容疑者が同日午後8時15分ごろに厚木市林のコンビニに立ち寄った際の防犯カメラ画像を公開し、情報提供を呼び掛けている。同容疑者は短髪で、黒色長袖の上に黄色のTシャツを着用し、柄の入ったハーフパンツ、サンダルを履いている。右肩にはかばんを掛けている。

 これまでの捜査で、同日午後1時半ごろのアパートからの逃走時は白のTシャツ、午後6時45分ごろに同市内の別のコンビニに立ち寄った際は黒っぽい服装だったことが確認されており、少なくとも逃走後2回、着替えた可能性がある。同日夜に、同市内の理髪店で散髪したことも判明した。

 また、関係者によると、同容疑者が厚木市林のコンビニ店外の公衆電話で約20分間、電話をかけていたという。県警は、同容疑者が20日早朝、知人に車で大和市内の別の知人の元に送ってもらったとの情報を得ており、電話で知人らに連絡した可能性もあるとみて調べている。

 同容疑者が逃走を続けていることから、厚木市と愛川町の計45小中学校は21日も休校の措置を続けた。

 事件は19日午後1時半ごろに発生。同容疑者は収容のために自宅を訪れた地検職員5人と厚木署員2人に刃物を振り回すなどして、駐車場にあった乗用車で逃走した。相模原市内や東名高速道路での走行が確認された後、車は同日深夜に厚木市のアパート敷地内で見つかった。地検は20日に逮捕状を取り、県警も全国に指名手配した。今年2月に懲役3年8月の実刑が確定していた。

 同容疑者は身長171センチ、左右の肩から腕、左手薬指に入れ墨がある。

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