石木ダム 県収用委裁決で知事 県議会一般質問 「早期完成目指したい」

 定例県議会は21日、一般質問が始まり、4人が登壇。県と佐世保市が東彼川棚町に計画する石木ダム建設事業について、中村法道知事は地権者に土地を明け渡すよう求めた県収用委員会の裁決を踏まえ、地権者に協力を求めて「ダムの早期完成を目指したい」との考えを改めて示した。
 溝口芙美雄議員(自民・県民会議)と外間雅広議員(自民)の質問に答えた。
 中村知事は「過去の洪水や渇水で大変な思いをした人や、大切な土地を譲った8割以上の地権者の気持ちや意見も大切にしなければならない」と説明。自然災害が頻発している近年の状況を踏まえ「県民の安全・安心を確保する事業を進めることは行政の最重要の課題であり、使命だ」と強調した。
 反対地権者に対しては「事業への協力を改めてお願いし、生活再建について誠実に対応したい」などと述べた。家屋の撤去や住民の排除といった行政代執行の実施については言及しなかった。

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