知人ら頼り逃走か 駅のカメラで確認されず、潜伏可能性も 愛川・受刑予定者逃走

容疑者が話し込む姿が目撃されたコンビニ前の公衆電話 =厚木市林

 保釈中に窃盗や覚せい剤取締法違反(使用)などの罪で実刑判決が確定した無職の男(43)=公務執行妨害容疑で逮捕状=が、横浜地検の収容を振り切って愛川町の自宅から逃走した事件で、同容疑者が知人らのつてを頼りに逃走を続けているとみられることが22日、捜査関係者への取材で分かった。駅の防犯カメラ映像で同容疑者の姿はこれまで確認されていないといい、県警は知人宅などに潜伏している可能性も視野に行方を追っている。

 県警は、同容疑者の知人女性が逃走翌日の20日早朝、同容疑者を厚木市内で車に乗せ、大和市内に送ったとの情報を得ている。その後、同容疑者は大和市内で知人男性宅に立ち寄ったとみられる。県警によると、知人男性は「短時間で(同容疑者は)立ち去った」と話している。

 同容疑者は逃走当日の19日夜にも、厚木市内のコンビニの公衆電話で通話しているのが目撃されており、知人らに連絡を取っていた可能性がある。

 捜査関係者によると、暴力団関係者とのつながりも指摘されている。県央地区以外の地域でも、同容疑者の足取りに関係するとみられる情報が寄せられているという。

 県警などは、防犯カメラ映像などで同容疑者が確認されている県央地区を重点に捜査を進める一方、寄せられた情報から同容疑者の所在を追っている。県警は22日、本厚木、海老名、大和の各駅で、同容疑者の防犯カメラ画像や特徴などを記載したチラシ計3500枚を配って、情報提供を求めた。

 事件は19日午後1時半ごろに発生。同容疑者は収容のために自宅を訪れた地検職員5人と厚木署員2人に刃物を振り回すなどして乗用車で逃走。地検は20日に逮捕状を取り、県警も全国に指名手配した。

© 株式会社神奈川新聞社