日韓海岸清掃フェスタ 漂着ごみ50立方メートル回収

漂着ごみを拾い集める韓国のボランティア団体のメンバー(手前)と対馬の高校生=対馬市美津島町赤島

 日韓両国のボランティアによる「日韓海岸清掃フェスタIN対馬」がこのほど、長崎県対馬市美津島町赤島の海岸であり、参加者は国内外からの漂着ごみ約50立方メートルを回収した。
 対馬の海岸と海洋環境の保全活動をする同市の一般社団法人「CAPPA(カッパ)」(上野芳喜代表理事)などが開催。7回目となる今回は、対馬市内の高校生や韓国・釜山市のボランティア団体のメンバーら計約250人が参加した。
 回収作業を前に上野代表理事は「対馬は総延長約900キロのリアス式海岸で、車の入れない場所は回収が難しく、人手も足りていない」と地域の実情を紹介。「海にごみを捨てないよう、今回の体験をそれぞれ持ち帰ってほしい」とあいさつした。
 参加者は赤島周辺の3カ所に別れて回収作業にあたった。このうち、赤島東岸の岩場では日本語や韓国語、中国語が記され、国内外から流れ着いたとみられるプラスチックごみや、地元で捨てられたとみられるテレビなどの家電製品があり、参加者は対馬海上保安部員らのサポートを受けながら丹念に拾い集めた。
 釜山市からボランティア団体の一員として参加した文(ムン)セーリンさん(14)は「こんなに韓国のごみがあるなんて、知らなかった。韓国の海岸にきちんとごみ箱を設置しなければ」、対馬高1年の宮原千遥さん(15)は「日本の空き缶も多かった。私たちもポイ捨てせず、きれいな海を守っていきたい」と話した。

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