J-GP2は名越が雨混じる難しいコンディション制しポール・トゥ・ウイン/全日本ロード筑波レース2

 6月23日、全日本ロードレース選手権第4戦のJ-GP3クラス、J-GP2クラス、ST600クラスの決勝レース2が筑波サーキットで行われた。J-GP3クラスは長谷川聖(CLUBY’s)が、J-GP2クラスは名越哲平(MuSASHi RT HARC-PRO.)が、ST600クラスは岡本裕生(51ガレージニトロレーシング)が優勝した。

 J-GP2クラス、J-GP3クラス、ST600クラスの3クラスがそれぞれ2レース制で開催されている全日本ロードの筑波ラウンド。日曜日は午前中のウォームアップ走行を終えた後、午後から決勝レース2が行われた。

■J-GP3は7台によるトップ争い

 J-GP3クラスレース2のポールポジションは長谷川、2番グリッドに鈴木大空翔(BATTLE FACTORY)、3番グリッドに村瀬健琉(ミクニ テリー&カリー)というフロントロウで予定通り午前11時10分からドライコンディションで20周のレースがスタートした。

 2番グリッドスタートの鈴木がホールショット。ポールスタートの長谷川は2番手に後退。4番グリッドからスタートした大堀和基(CLUB HARC-PRO.)が3番手と続く。

J-GP3クラスのレース2スタートシーン

 2周目以降、トップグループは鈴木、長谷川、安村武志(犬の乳酸菌jp/プリミティブRT)、成田彬人(Team P.MU 7C MIKUNI)、村瀬の5台が数珠つなぎで周回を重ねる。オープニングラップで3番手だった大堀は8番手まで後退した。

 6周目に入るとトップグループは後方から追い上げた岡崎静夏(Kohara Racing Team)と中山愛理( TEAM SHOTA)が加わり、トップの鈴木を先頭に、成田、長谷川、村瀬、安村、岡崎、中山の並びとなる。

 7周目からはトップ7台が順位を入れ替えながら周回。9周目には成田が、11周目には鈴木が先頭に立ち、グループを率いる。

 14周目には3番手を走っていた長谷川がホームストレート手前で村瀬、ホームストレートのエンドで鈴木をかわしてトップを奪取。2番手村瀬、3番手鈴木という並びとなり、トップ3台が抜け出し始める。

 トップに立った長谷川は15周目以降にペースを上げて2番手以下を引き離しはじめる。村瀬、鈴木は長谷川のペースについていけず、トップとの差がどんどんと広がっていった。

J-GP3クラスのレース2を制した長谷川聖(CLUBY’s)

 長谷川は単独走行でファイナルラップへ入り、そのままフィニッシュ。2番手に3秒286秒の差をつけて今シーズン2勝目を挙げた。2位は鈴木、3位は村瀬という結果になった。

■全日本ロードレース第4戦筑波:J-GP3決勝レース2結果(20周/編集部集計)

天候:曇り 路面:ドライ

Pos. No. Rider Team Motorcycle Type TotalTime/Delay

1 36 長谷川聖 CLUBY’s ホンダNSF250R BS 20’21.754

2 11 鈴木大空翔 BATTLE FACTORY ホンダNSF250R DL 3.286

3 392 村瀬健琉 ミクニ テリー&カリー ホンダNSF250R DL 3.517

4 14 中山愛理 TEAM SHOTA ホンダNSF250R BS 4.555

5 18 安村武志 犬の乳酸菌jp/ プリミティブRT PRCS・PRCS3d DL 6.011

6 71 成田彬人 Team P.MU 7C MIKUNI ホンダNSF250R DL 6.315

7 13 岡崎静夏 Kohara Racing Team ホンダNSF250R DL 6.557

8 17 太田虎之進 WJ-FACTORY ホンダNSF250R BS 11.018

9 34 細谷翼 Team SRS-Moto ホンダNSF250R DL 11.888

10 50 山田尚輝 team hiro’ck&HARC ホンダNSF250R DL 11.961

11 88 福嶋佑斗 Team Plusone+f ホンダNSF250R BS 12.606

12 20 高杉奈緒子 41PLANNING KTM・RC250R DL 18.180

13 29 S.アギアス MIE Racing ホンダNSF250R DL 21.718

14 5 藤井謙汰 Kohara Racing Team ホンダNSF250R DL 21.788

15 9 山本恭裕 チームライフ・ドリーム北九州 ホンダNSF250R DL 22.527

16 61 柳沢祐一 ENDLESS TEAM SHANTI ホンダNSF250R DL 22.655

17 31 西田信義 WJ-FACTORY ホンダNSF250R BS 22.775

18 54 江澤伸哉 team hiro’ck and HARC ホンダNSF250R DL 22.985

19 64 大堀和基 CLUB HARC-PRO. ホンダNSF250R BS 23.278

20 52 藤田哲弥 TEAM MASSA-R ホンダNSF250R DL 23.488

21 53 木内尚汰 S-Speed ホンダNSF250R DL 25.015

22 16 白石玲菜 Dreamline Plusone ホンダNSF250R BS 25.114

23 15 野澤秀典 ノザワレーシングファミリー ホンダNSF250R BS 26.555

24 21 村田憲彦 CLUBY’s ホンダNSF250R BS 29.577

25 32 三好菜摘 RG NIWA with オーテック・スズカ ホンダNSF250R BS 32.524

– 41 宇井陽一 41PLANNING KTM・RC250R DL 8 Laps(リタイア)

– 55 濱田寛太 ライダーズサロン横浜 ホンダNSF250R DL 10 Laps(リタイア)

■J-GP2は雨混じる難しいコンディションに

 J-GP2クラスのレース2ポールポジションを獲得したのは名越。2番グリッドは岩﨑哲朗(OGURA CLUTH with RIDE IN)、3番グリッドは榎戸育寛(SDG Mistresa RT HARC-PRO)というフロントロウに。午前中に行われたウォームアップ走行では名越が57秒356でトップタイムをマークしている。

 レース1と同じく20周で争われるレース2は、上空に厚い雲が広がるなか、ドライコンディションで14時25分にスタートを迎えた。

 スタートでホールショットを決めたのはポールスタートの名越、2番手は小谷咲斗(TEAM PLUSONE with TARO)、3番手は岩崎、4番手は5番グリッドスタートの作本輝介(Team 髙武 RSC)という並びで1コーナーを抜けていく。

J-GP2クラスのレース2スタートシーン

 4番手の作本は第1ヘアピンに入ると3番手の岩崎をすぐに交わして3番手浮上。2周目には1コーナーで前を走る小谷をかわして2番手に上がった。

 2番手に浮上した作本は、前を走る名越の後ろにぴたりと付いて抜く機会を伺うと、5周目の1コーナーで名越のイン側に入り込んでトップを奪う。

 作本がトップに浮上したとき、雨が降ってきたことを示すレッドクロスフラッグが提示される。8周目に入ると雨はやみ、レッドクロスフラッグはなくなったが、路面は若干濡れたため溝がないスリックタイヤでは滑りやすい状況となる。

 難しいコンディションのなか、10周目に入ると名越が1コーナーで作本をかわしてトップを奪取。折り返しからは名越、作本、榎戸、小谷の並びで周回を重ねていく。

終盤で後続を引き離す名越哲平(MuSASHi RT HARC-PRO.)

 12周目に入ると名越がペースを上げ、2番手作本との差を広げ始める。2番手の作本はペースが上がらず、15周目には後方から迫った榎戸に1コーナーでかわされ4番手に後退。しかし、次周で作本が1コーナーで仕掛け返して2番手を取り戻す。

 作本、榎戸がバトルを展開する間に名越は独走体制に持ち込み、2番手作本との差を約2秒に広げた。

 名越は独走体制のままポール・トゥ・ウインで今シーズン2勝目を挙げた。作本は2位、榎戸は3位でチェッカーを受けた。

雨混じる難しいコンディション制しJ-GP2クラスでポール・トゥ・ウインを果たした名越哲平(MuSASHi RT HARC-PRO.)

 J-GP2クラスの決勝レース2結果は以下の通り。

■全日本ロードレース第4戦筑波:J-GP2決勝レース2結果(20周/編集部集計)

天候:曇り 路面:ドライ

Pos. No. Rider Team Motorcycle Type TotalTime/Delay

1 634 名越哲平 MuSASHi RT HARC-PRO. ハルク-プロHP6-q BS 19’19.077

2 4 作本輝介 Team 髙武 RSC モリワキMD600 BS 2.044

3 71 榎戸育寛 SDG Mistresa RT HARC-PRO ハルク-プロHP6-q BS 2.745

4 22 小谷咲斗 TEAM PLUSONE with TARO ホンダHP6-q BS 5.690

5 392 尾野弘樹 ミクニ テリー&カリー スズキGSX-R600 DL 14.303

6 70 岩﨑哲朗 OGURA CLUTH with RIDE IN カワサキZX-6R PI 14.870

7 14 阿部恵斗 webikeチームノリックヤマハ ヤマハYN6 BS 15.373

8 36 徳留真紀 マルマエMTR ホンダHP6 BS 30.306

9 19 井手翔太 HiTMAN RC甲子園ヤマハ ヤマハYZF-R6 DL 44.328

10 18 豊島怜 SpeedHeart DOGFIGHTR YAMAHA ヤマハYZF-R6 DL 52.693

– 79 朝比奈正 アサヒナレーシング ASAHINA・Z600 – スタート出来ず

■ST600は岡本と小山のマッチレース

 ST600クラスレース2のポールポジションは岡本。長尾健吾(NCXXRACING&善光会 TEAMけんけん)が2番グリッド、國峰啄磨(日本郵便 HondaDream TP)が3番グリッドというフロントロウとなった。

 ST600クラスの決勝レース2は20周での争い。ドライコンディションで15時20分からスタートを迎える。ポールスタートの岡本は好スタートを決めてホールショット。2番手長尾、3番手小山と続く。

 3周目に入るとトップ3台は後続を引き離しはじめる。戦闘を走る岡本は後続を引き離そうペースを上げた。

 一方、2番手の長尾はペースを上げられず、3番手の小山が後方から抜く機会を伺う。4周目に入ると、長尾はヘアピンでラインを外してしまい大回りに。その隙に小山が長尾をかわして2番手に浮上。トップを走る岡本を追う。

逃げる岡本を小山が追う展開に

 レースはしばらくこう着状態に。折り返し地点となる10周を終えた時点ではトップ岡本と2番手小山の差は1秒024とじわじわとその差を縮め始める。15周目に入るとトップと2番手の差は1秒を切った。

3番手走行中にダンロップコーナーで転倒を喫した長尾健吾(NCXXRACING&善光会 TEAMけんけん)

 17周目に入ると3番手を走行していた長尾がダンロップコーナーで転倒。これで国峰が3番手に浮上する。

 2番手の小山はファイナルラップまで岡本との差を詰めようとプッシュしていたが届かず。岡本が逃げ切って逃げ切りポール・トゥ・ウイン。今シーズン2勝目を挙げた。2位は0.691秒差で小山、3位は国峰という結果に終わった。

 転倒を喫した長尾は再スタートを切り26位でチェッカーを受けている。

小山から逃げ切り今シーズン2勝目を挙げた岡本裕生(51ガレージニトロレーシング)
転倒を喫した長尾健吾(NCXXRACING&善光会 TEAMけんけん)は再スタートを切って26位でチェッカーを受けた

 ST600クラスの決勝レース2結果は以下の通り。

■全日本ロードレース第4戦筑波:ST600決勝レース2結果(20周/編集部集計)

天候:曇り 路面:ドライ

Pos. No. Rider Team Motorcycle Type TotalTime/Delay

1 1 岡本裕生 51ガレージニトロレーシング ヤマハYZF-R6 BS 19’30.269

2 230 小山知良 日本郵便 HondaDream TP ホンダCBR600RR BS 0.691

3 55 國峰啄磨 日本郵便 HondaDream TP ホンダCBR600RR BS 6.452

4 57 奥田教介 Team MF & Kawasaki カワサキZX-6R BS 11.078

5 6 南本宗一郎 AKENO SPEED・YAMAHA ヤマハYZF-R6 BS 11.410

6 12 古山颯太 伊藤レーシングBORG カスタム ヤマハYZF-R6 BS 15.159

7 13 杉山優輝 MOTO BUM HONDA ホンダCBR600RR BS 19.692

8 40 菅原陸 保険職人GBSレーシングYAMAHA ヤマハYZF-R6 BS 19.777

9 420 亀井駿 日本郵便 HondaDream TP ホンダCBR600RR BS 21.072

10 45 長尾健史 TEAMけんけん with BEE ヤマハYZF-R6 BS 21.395

11 340 岡村光矩 KRP三陽工業&RS-ITOH カワサキZX-6R BS 21.452

12 69 中村竜也 RS-ITOH&AUTOBOY カワサキZX-6R BS 21.566

13 39 和田留佳 will-raise racingRS-ITOH カワサキZX-6R BS 23.605

14 48 横山尚太 ガレージL8 Racing Team ヤマハYZF-R6 BS 26.676

15 88 名越公助 TEAM PLUSONE with TARO ヤマハYZF-R6 BS 27.832

16 98 佐野勝人 チーム阪神ライディングスクール カワサキZX-6R BS 27.973

17 51 関野海斗 51ガレージニトロレーシング ヤマハYZF-R6 BS 28.243

18 46 中島元気 Honda浜友会浜松エスカルゴ ホンダCBR600RR BS 31.127

19 22 中山耀介 TEAM SHOTA ヤマハYZF-R6 BS 31.504

20 47 鈴木光来 ENDLESS TEAM SHANTI ホンダCBR600RR BS 32.656

21 090 斉藤魁 au・テルル MotoUP RT ホンダCBR600RR BS 34.182

22 14 行村和樹 Kohara Racing Team ホンダCBR600RR BS 34.182

23 28 松川泰宏 MOTO BUM+SAI ホンダCBR600RR BS 34.505

24 64 伊達悠太 BATTLE FACTORY & KIMA Racing ホンダCBR600RR BS 49.692

25 53 家根谷大晟 Team MF & Kawasaki カワサキZX-6R BS 1 Lap

26 50 長尾健吾 NCXXRACING&善光会 TEAMけんけん ヤマハYZF-R6 BS 1 Lap

27 71 上原大輝 SDG Mistresa RT HARC-PRO. ホンダCBR600RR BS 2 Laps

– 17 仲村優佑 AKENO SPEED・YAMAHA ヤマハYZF-R6 BS 8 Laps(リタイア)

– 97 佐野優人 BATTLE FACTORY ホンダCBR600RR BS 8 Laps(リタイア)

– 54 荒川晃大 MOTO BUM HONDA ホンダCBR600RR BS 19 Laps(リタイア)

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