保育委託費流用「過度」 繰越金多額、内部留保も

保育園の委託費に対する人件費比率の低さが明らかとなった資金収支計算書

 市町村から支給される保育園の委託費が政治流用されていた問題に絡み、宮崎日日新聞が県内の私立保育園218施設の資金収支計算書を調査したところ、33施設の委託費に対する人件費比率が、国の想定する「80%前後」を大幅に下回る70%未満だったことが23日、分かった。80%以上の施設は過半数に満たない94施設にとどまった。総額約40億円が繰り越され、使途基準に反して多額の繰越金を計上する保育園も13施設あった。委託費の使途を緩和する2000年の政府の基準見直しが背景にあり、関係者からは「過度な流用が保育士の処遇改善を阻んでいる」と批判も出ている。

© 株式会社宮崎日日新聞社