「合葬墓」高まるニーズ 三田市が市霊苑に整備へ

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三田市役所

 兵庫県三田市は、多数の遺骨を一緒に埋葬する合葬墓を市霊苑(下槻瀬)内に設けることを決めた。少子化や親族の負担軽減を目的に「墓じまい」をする人が増えており、市民の利用ニーズが高いと判断した。本年度中に設計を終え、2021年度の利用開始を目指す。

 合葬墓は、霊園内で臨時駐車場として利用している空き地に建設し、広さは440平方メートル。約3千体分の遺骨を収容できる合葬室のほか、納骨から数年間、個別に遺骨を安置する一時保管室(約800体分)を設ける。故人の名前を刻む銘板や献花台、礼拝するためのモニュメントなども設置する予定だ。

 本年度中に設計を終え、20年から建設に取りかかる。土地の取得や造成の費用がかからないため、整備費は4千万~5千万円と想定している。

 市は16年度、無作為に選んだ市民約2000人を対象に、合葬墓に関するアンケートを実施(回答率は34.7%)。「積極的に設置すべき」とした約3割を含め、全体の8割以上が肯定的な見方を示した。

 兵庫県内では加古川、宝塚、神戸、明石の各市が合葬墓を整備している。宝塚市は遺骨を一時保管室に安置後、合葬室に葬る方式で10万円、合葬室に直接安置する方法で5万円の使用料を徴収している。

 三田市の使用料は今後決めるが、市によると宝塚市と同水準にしたいという。

 市は財政面でも合葬墓に期待を寄せる。1997年に完成した同霊園は、全920区画のうち820区画を販売した。当初は年間40区画以上を売ったが、5年ほど前には20を切り、現在は10区画程度に落ち込む。

 霊園は市の公営墓地整備事業特別会計で運営されている。建設費として一般会計から約5億円を借り入れ、墓地の売却収入を返済に充ててきたが、まだ1億円程度の負債が残る。合葬墓の利用が進めば、返済のスピードが上がる。

 市環境創造課は「他市では問い合わせが相次いでおり、三田でも関心が高いと見込まれる。変化する市民ニーズに対応したい」としている。(高見雄樹)