鷹はなぜ9人もの外国人選手を抱えるのか? 育成のコラスを支配下登録

支配下登録を掴んだソフトバンクのオスカー・コラス【写真:福谷佑介】

7月にはグラシアルがキューバ代表活動のため、チームを一時離脱する

 ソフトバンクは24日、キューバ人育成選手のオスカー・コラス外野手と支配下選手契約を締結したと発表した。2017年5月に加入したコラスは来日3年目。今季の2軍での活躍が認められての支配下昇格となった。背番号は「46」に決まった。

 2017年5月に、現在、1軍のセットアッパーとして活躍するリバン・モイネロ投手とともに、育成契約でソフトバンクに入団。当時18歳で来日し、その当時は投手も兼任し“キューバの二刀流”として注目された。持ち味のパンチ力を武器に、2年目の2018年からは野手に専念。今季は47試合で179打数53安打でリーグ2位の打率.296、同3位の9本塁打36打点の好成績をマークしていた。

 これで開幕前に支配下登録された周東佑京内野手、川原弘之投手に続き、今季3人目の支配下昇格に。これで、1軍に出場できる4枠の外国人枠に対し、外国人は9人に。デニス・サファテ投手、リック・バンデンハーク投手、ロベルト・スアレス投手、リバン・モイネロ投手、アリエル・ミランダ投手、6月に加入したカーター・スチュワートJr.投手の投手6人、アルフレド・デスパイネ外野手、ジュリスベル・グラシアル内野手の野手2人に、新たにコラスが加わった。

 12球団最多の外国人を抱えるソフトバンク。今回のコラスの昇格について、編成面を統括する三笠杉彦取締役GMは「支配下登録する際は1軍の戦力になり得るかどうかを評価基準にしている。3年目で環境に慣れ、5月はファームでMVPも取った。後半戦、リーグ優勝に向けて戦っていくにおいて、戦力になり得ると評価した」と会見で説明した。

 現在、ソフトバンクの外国人ではサファテ、バンデンハークが負傷離脱しており、1軍ではデスパイネ、グラシアル、モイネロが常時プレーし、スアレスとミランダは昇降格を繰り返して先発している。

 その上で、グラシアルは7月半ばから、キューバ代表の活動のため、約1か月ほどチームを離脱することが決まっている。三笠GMは「力としては使ってみたら面白いというようなところ。フロントとしては4枠をしっかり活用してもらうため、絶対に使わないといけないというわけではないが、グラシアルが不在の期間のオプションの1つとして、というのもあります」と、支配下登録の狙いの1つを明かしていた。

 9人もの外国人を抱えるソフトバンクだが、それは日本人も含めて競争を高いレベルで維持させる狙いもある。それは助っ人も例外にあらず。グラシアル不在の期間に備えつつ、より一層、チーム内での競争を熾烈にさせるため。支配下登録選手はこれで69人目。活用できる枠をフルに使って、チーム力を高めていく。(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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